3月11日、巨人と日本ハムの間で、若林晃弘内野手と郡拓也捕手の1対1の電撃トレードが成立した。若林は2017年ドラフト6位で巨人に入団。21年には自己最多となる96試合に出場したが、昨季は左太もも裏の肉離れなどの故障もあり21試合の出場にとどまった。
一方の郡は16年ドラフト7位で日ハムに入団。本業は捕手だが内外野を守れるユーティリティープレイヤーであることから、巨人にとってはいざというときのバックアップ要員としても貴重な戦力になることだろう。
なかなか出場機会のない選手にとって新天地への移籍は良い刺激にもなるが、気になるのは捕手の郡を獲得した巨人の戦略だ。現在、チームには大城卓三、岸田行倫、小林誠司、山瀬慎之助、喜多隆介がおり、特に小林はこの4年間、1軍での出場が激減、昨季は21試合にとどまっている。春季キャンプは2軍スタートで、3月12日にようやく1軍に合流するものの、阿部慎之助監督によれば「昇格」ではなくあくまで「参加」とのことで、何とも中途半端な立場だ。
「阿部監督は今季、大城をメインに岸田、山瀬を使うつもりでしょう。ただ、大城は今季国内FA権を取得するため、来季他球団に移る可能性がある。そのための郡獲得という見方もできますが、小林にとってはこれで大城が抜けた場合に出番が少なからず回って来るという淡い期待も、遠く霞んだ格好です」(スポーツライター)
巨人のグッズ販売においては今も上位という小林。多くのファンは少ないチャンスを何とかモノにして欲しいという思いだろうが、果たして今季はどうなるか。
(ケン高田)