今年は「ひき肉ハラスメント」? 企業の5割で忘年会復活も「余興」が消えた理由

 新型コロナウイルスが5類に移行し、4年ぶりに行動制限のない年末年始を迎え、今年は忘年会を開催する予定の企業も急増している。ただ、忘年会は復活しても忘年会で恒例だった“イベント”は行われなくなりそうだ。社員による余興のことだ。

「11月に東京商工リサーチが発表した『忘・新年会に関するアンケート』調査の結果によると、今年は回答のあった4,747企業のうち54.4%が忘・新年会を開催する予定であることが明らかになり、昨年の38.6%から大幅に増加しました。忘・新年会に対しては否定的な社員が増えたこともあって、以前はコロナ禍が明けても行わないと回答していた企業が7割超ありましたから、見事な復活劇を遂げたと言えるでしょう」(フリージャーナリスト)

 夜の街にも賑わいが戻ってきたが、その一方で忘年会には付き物だった余興の出し物は姿を消しつつある。「週プレNEWS」が20~60代の男性会社員100名ずつ、計500人にアンケート調査を実施したところ、「忘年会で出し物・余興が行われる予定」が「ある」と回答したのはわずか11.4%だったという。かつては新入社員の登竜門とも言われていたが、多くの企業が余興を行わない忘年会に切り替えているようだ。

「コロナ禍以前から、若手社員に余興でU.S.Aや恋ダンスを踊らせることが“ダパハラ”“恋ハラ”などと呼ばれ、パワハラではないかと問題になっていましたし、コロナ禍で社会の価値観が変わり、余興はやめようという流れになっていると考えられます。また、Job総研が実施した調査では、忘年会への参加意欲が最も高いのが20代。コロナ禍では会社のイベントが軒並み中止となり、上司や同僚とコミュニケーションを取りたいと考えている若手が増えていて、そんな若者たちの忘年会参加意欲を削がないためにも余興をさせない企業が増えているのです」(同)

 今年は「ひき肉ダンス」の“ひきハラ”の可能性もあっただけに、余興嫌いの人にとっては廃止の流れは朗報に違いない。

(小林洋三)

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