03年から日本人に対し、15日以内の短期滞在のビザ免除措置を設けていた中国。だが、新型コロナの感染が拡大した20年以降は停止したままだ。そのため、渡航にはビザの発給が必要となり、旅行会社の中国ツアーは未だ停止したままとなっている。
「政府が昨年末、中国からの渡航者にPCR検査を義務付ける水際対策を強化し、これに中国側が猛反発。1月には対抗措置として日本人へのビザ発給が一時的に停止されました。その後、両国とも措置は緩和されましたが、8月には福島原発の処理水の海洋放出に中国側が強く抗議し、日中関係はさらに悪化。ビザ免除の再開のメドは立っていません」(大手紙記者)
ちなみに観光ビザは手続きが煩雑。他には深圳や珠海、厦門から入国する場合であれば、それぞれの都市への滞在に限定されるが、現地で取得可能な「特区旅遊ビザ」というのもある。実は、このビザは国籍によって発給手数料が大きく異なる。
9月の料金改定後は、もっとも高いのが米国の1295元(2万6821円)。以下、アンゴラの1109元(2万2969円)、アルゼンチンの1038元(2万1498円)、ブラジルの985元(2万401円)、ボツワナの932元(1万9303円)と続く。
一方、手数料がいちばん安いのは、セルビアの18元(373円)。次いでイスラエルの195元(4039円)、日本の275元(5696円)となっている。米国とセルビアの手数料格差はなんと72倍。これは中国との友好度を表しているのだろうか?
「米国に限って言えば、そうかもしれません。ただ、ビザ発給の手数料が高額な他の国は必ずしも中国との関係が悪いわけではありません。第一、この理屈だと手数料が安い部類に入る日本の説明がつきません。まあ、東南アジアの国々やロシアのように今もビザ免除措置の国もあるため、手数料が発生する時点で非友好国と言えますけどね」(旅行誌編集者)
以前のようにビザなしで渡航できる日が来るといいが…。