42勝32敗4分けで前半戦を終了した千葉ロッテ。首位オリックスとのゲーム差は3.5、後半戦も僅差での優勝争いが繰り広げられていくと思われるが、このチームの今後のカギを握るのは「アウトプット」だろう。
「前半の最終楽天戦(7月17日)が象徴的でした。6回2死1、2塁の場面で楽天・小郷の打球は平凡なレフトフライ。打ち取ったかに見えたんですが、レフトの石川慎吾が打球を完全に見失っていました」(スポーツ紙記者)
ショートの藤岡裕大も懸命に追ったが、左前にポトリ。そこで失った2点が決勝点となった。
「石川は巨人から移籍してきて、スタメンで出場する機会も増えました。ベンチスタートになった日も素振り室に行き、そこで顔を合わせた選手にパ・リーグの各対戦投手の特徴を聞くなど情報を収集しています」(チーム関係者)
その勉強熱心さのおかげだろう。守備では手痛いミスをしてしまったが、バットのほうは4打数3安打。インプットされた情報がしっかりとアウトプットされている。
「同日の試合が行われたZOZOマリンですが、海風が強く、飛球の追いかけ方が難しいのは有名です。でも、それだけではありません。立地による影響だと思いますが、まぶしいというわけではないですが、飛球が見えづらくなる角度があるんです」(同)
同日の風速は4メートル。ZOZOマリンでは“無風”も同然だ。石川も強風以外の球場の特徴を説明されていたと思うが、同日の失敗を次の機会に活かすしかない。
また、先発した種市篤暉だが、こちらもせっかく得た情報を活かすことができなかったようだ。
「3月のWBC強化試合にサポートメンバーとして参加しました。他球団の選手に教えてもらったことを熱心にメモしていました」(前出・スポーツ紙記者)
それだけではない。チーム内では「サプリメントオタク」でも通っている。体調管理やトレーニング理論もしっかりしていて、佐々木朗希はルーキーイヤーから種市からサプリメントについて教わってきたそうだ。
「オフの間、米国の野球トレーニング施設で練習したこともあります。投球理論もしっかりしています」(前出・チーム関係者)
同日の敗戦はアウトプットの仕方を誤ったようだ。失敗を糧としなければならない。石川、種市は球宴休みの間、インプットされたデータを整理する必要がある。
(飯山満/スポーツライター)