千葉ロッテが“駆け込み”で補強した助っ人外国人選手は要注意だ。
前ブルワーズ3Aの内野手、マイク・ブロッソーの獲得が発表されたのは7月28日のこと。この時期に獲得できる外国人選手は「駆け足調査」となるため、あまり期待できない、というのが通り相場。しかしブロッソーについて調べてみると、後半戦のキーマンにもなりそうなのだ。
「良い選手を獲りましたね。昨季、ケガがなければブルワーズでレギュラーを獲っていたかもしれません。単なるユーティリティープレーヤーではありません」(在米ライター)
MLB5シーズンでの通算成績は、244試合出場で141安打、26本塁打、77打点、打率.242。数字は“フツー以下”だが、20年のレイズ時代、規定打席数には到達していないが、60試合で「OPS.936」の数値を残している。
OPSとは出塁率と長打率を足し合わせたもので、その数値が高ければ高いほど、得点に絡む可能性が濃いことを示しているのだが、
「20年地区シリーズ最終戦の9回、ヤンキースのクローザーだったチャップマン(当時)から勝ち越しのホームランを放っています」(前出・同)
と、強いインパクトを残している。
「ブルワーズ移籍後の22年9月21日、代打満塁ホームランを放ちました。チームはフィリーズとポストシーズンマッチ進出を争っていて、最終的には届きませんでした。でも、ブロッソーの一発でファンは溜飲を下げました」(現地メディア)
日本球界ふうに言えば、「意外性の男」「持っているヤツ」だが、本当の意味で強運の持ち主らしい。
「弱小校で野球をやっていました。大学3年生だった2015年に指名漏れし、本人もプロを諦めて就職活動していたら、16年になってレイズから電話が掛かってきたんです。『アマチュアFA』で獲るから、と」(前出・在米ライター)
アマチュアFAとは、日本球界にかつてあったドラフト外入団みたいなもの。契約金わずか1000ドルで、完全なオマケ入団だったが、3年でMLB昇格を果たしたのだ。
内野の全ポジションを守れる。主にサードだが、前出の在米ライターによれば、「マイナーではショートもやっている。巧い」とのこと。
起死回生の打撃、そんな強運の持ち主なら、やや失速ぎみの千葉ロッテの救世主になってくれるのではないだろうか。
(飯山満/スポーツライター)