ラグビー「9戦全敗」イングランド撃破で“奇跡”再び/2023年下半期パーフェクト大予測〈W杯〉

 8月から9月にかけて、バスケットボールとラグビーのワールドカップ(W杯)が相次いで開催される。両競技とも近年、日本国内のリーグ戦がプロ化し、代表チームの強化にも取り組んできた。果たして、世界を相手に、その成果を見せることができるか。

 8月25日に開幕するFIBAバスケットボールW杯2023は、日本、フィリピン、インドネシアの3カ国で共催され、32チームが出場する。1次ラウンドは4チームずつ8つに分かれたグループ内で争われ、2位までに入ったチームが2次ラウンドに進む。

 世界ランキング36位の日本は、世界3位のオーストラリア、11位のドイツ、24位のフィンランドと同じグループEに入った。いずれも容易な相手ではない上に、八村塁(25)=レイカーズ=の不参加も決定。日本にとっては険しい道のりが待ち受けることになった。

 Bリーグ大阪エヴェッサの元GMで、バスケットボールコメンテーターの井口基史氏がこう話す。

「NBAで活躍している八村と渡邊雄太(28)=サンズ=、その下部組織でプレーする馬場雄大(27)の3人が万全な状態で参加できれば1次ラウンド突破も何とか狙えると思っていただけに、八村の不参加は痛いですね。カギとなるのは初戦のドイツ戦(8月25日)。勝てないまでも内容のある試合ができれば、比較的実力差が小さい次のフィンランド戦(8月27日)に希望が持てます」

「史上最強」と言われた布陣で臨んだ2年前の東京五輪は、1次リーグ3戦全敗で終了。今回は〝悲願の1勝〟を挙げたいところだ。

 9月8日に開幕するラグビーW杯2023フランス大会。20チームが5チームずつ4つのプールに分かれて戦い、各プールの上位2チームが準々決勝に進む。日本は前回のベスト8以上を目指しているが、こちらも容易な道ではない。同じプールに日本より格上のイングランドとアルゼンチンがいるためだ。

 長年ラグビーを取材し続けているスポーツライターの永田洋光氏が解説する。

「日本はこれまでイングランドに9戦全敗、アルゼンチンには1勝5敗。どちらも分の悪い相手ですが、今回はアルゼンチンの方がやりにくいですね」

 アルゼンチンの最大の特徴は強固なディフェンス。昨年8月の南半球4カ国対抗戦では、強豪ニュージーランドを敵地で破ったが、その試合でもニュージーランドの屈強なFW陣の前進を粘り強く食い止めた。一方のイングランドは、今年の欧州6カ国対抗戦で2勝3敗の4位と、いまひとつ振るわなかったが、「日本としては、2戦目のイングランド戦に勝って、準々決勝進出が〝ほぼ決まり〟という状況で最終のアルゼンチン戦を迎えるのがベストシナリオ。昨年11月のイングランド戦はスクラムが劣勢で敗れました。本番までにそこを修正できるかがポイントになるでしょう」(永田氏)

 前々回(15年)の南アフリカ戦勝利、前回(19年)のベスト8と、2大会連続で〝奇跡〟を起こしてきた日本。「二度あることは三度ある」に期待したい。

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