10月26日に行われたラグビーW杯日本大会準決勝で、イングランドがニュージーランドを下して決勝進出を決めたが、この一戦で行われたイングランドによる“ハカ奇襲”に対し、ラグビーの統括団体でありワールドラグビーが2000ポンド(約28万円)の罰金を科していたことを英紙が報じた。
「オールブラックスが試合前に行うマオリ族の民族舞踊”ハカ”に対して、イングランドはV字の隊列になり相手を挑発しました。これはエディー・ジョーンズヘッドコーチの策だったといいますが、問題はV字の隊列になったことではなく、イングランドの6選手がハーフウェーラインを越えて敵陣に侵入したことが規則違反の対象になったとのことです」(スポーツ紙記者)
イングランドがオールブラックスを下した要因とも言われるV字隊列は今大会屈指の名場面とも言われているが、罰金処分になったことに対しネット上では《あれはルール違反だったかもしれないが、マナー違反ではない。オールブラックスがハカを踊る間、おとなしく見ていなきゃならないなんてフェアではない》《にわかファンだけど、イングランドがV字型になった瞬間カッコ良くて痺れた。ラインを越えたのは規則違反かもしれないけど、相手にちょっかいを出したわけでもない》《イングランドのがダメなら、ハカも試合直前じゃなくて国歌斉唱前にやらせればいいのに》など、イングランドを擁護する意見が殺到した。
「ハカ奇襲といえば、11年のラグビーW杯ニュージランド大会でフランスが行った逆V字隊列も有名です。フランスは逆V字隊列になったあと、ハーフウェーラインに選手が一列に並び、最終的にはほぼ全選手が敵陣に侵入してしまったため約35万円の罰金を支払いましたが、オールブラックスのホームで7-8と敗れはしたものの善戦し話題となりました。今回のハカ奇襲でイングランドが勝利したことから、今後はオールブラックスに対してハカ奇襲をかける国も増えるかもしれません。実際、ハーフウェーラインを越えても罰金は微々たるものですからね」(スポーツジャーナリスト)
なお、今回イングランドに科せられた罰金は、台風19号の被害に遭った日本に寄付するという。ワールドラグビーの粋な計らいが称賛されている。
(小林洋三)