10月13日、ラグビー日本代表は強豪スコットランドを28-21で下し、史上初となるベスト8進出の快挙を成し遂げたが、この戦いを前にスコットランドラグビー協会のマーク・ドットソンCEOが発した“法的措置”を匂わせる言動が、試合終了後から改めて世界中で批判と揶揄にさらされている。
「問題となっているのは、11日の会見でドットソンCEOが、台風19号の影響で日本戦が中止となればスコットランドがグループリーグ敗退となることについて、『弁護士と相談したら、日程を柔軟にできるはずとの意見をもらった。しかし今は法的措置の可能性よりも、常識的な対応を考えて大会の権威を守ってほしい』と発言したことです」(スポーツ誌記者)
この発言に対し国際統括団体・ワールドラグビーは同日に異例の声明を発表し、「公衆安全への深刻な被害が懸念される状況で、スコットランドラグビー協会があのような声明を発表したことについて失望している」と強く非難。
「スコットランド協会は試合さえ開催されれば日本に勝つ自信があったのかもしれないが、結局は破れたことで世界中から笑いものにされており、SNS上には皮肉たっぷりのコメントが寄せられているんです」(スポーツ紙記者)
その内容は、《スコットランドは一転、台風によって試合を中止しなかったことに法的措置の検討をはじめたようだ》《台風19号で日本は被災し、カナダ代表は釜石でボランティアをした。一方、スコットランドは法的措置の準備をはじめた。本当に彼らはクレイジーだ》《法的措置の準備に費やした時間を試合の準備にあてるべきだったのでは?》など言われ放題だ。
「スコットランドには当然、2度目のW杯一次リーグ敗退の可能性という焦りもありましたが、そもそも同国は自然災害が比較的少ない。そのためドットソンCEOも、日本の台風がこれほどの被害をもたらし、自身の発言が批判の火種となることまで考えが及ばなかったのかもしれません。試合後、スコットランド代表のタウンゼントヘッドコーチは記者会見の第一声で『台風の被害に遭われた方に対してお見舞いを申し上げます』と被災者への心遣いを忘れず、日本代表を絶賛していました。ラグビーにはノーサイドの精神だけに、これ以上スコットランドを責める必要もないでしょう」(スポーツジャーナリスト)
日本代表には、この勢いでさらなる勝利を目指してもらいたい。
(小林洋三)