速報が流れてきても、すっかり慣れた感のある、MLBアスレチックス・藤浪晋太郎投手の制球難による大炎上。
現地時間の5日、ビジターのパイレーツ戦の6回裏、1点差に迫られてなお1死満塁の場面で藤浪は4番手投手として登板。ところが、最高で164㌔の速球を連発するも、なかなかストライクが入らず2者連続で押し出し。あっさりと逆転を許してしまった。
最終的に試合は5−4でパイレーツの勝利。勝敗はつかなかったものの、逆転を許した藤浪はアスレチックスファンから「メジャーでやれる選手じゃない」「二度と投げさせてほしくない」など、戦犯級のブーイングを受けている。
でも一方で、そんな自滅炎上のニュースを速報で知った日本のファンからは、藤浪を責める声はほとんどなし。むしろ藤浪については「彼は悪くない」という声や、藤浪以外の人物への批判が山のように投稿されてしまった。
「日本のファンにとって、藤浪のノーコン病は通常運転でいつもと同じ仕事をしただけという冷めた印象だったようです。同時に指摘されたのは、『満塁で藤浪を出すなんて正気じゃない』など、コッツェイ監督ら首脳陣に対して向けられたもの。またSNSには『八百長か!?』というコメントもありましたが、確かに今回のような場面で藤浪をリリーフに送れば何が起こるかは野球ファンなら分かりそうなもの。むしろ、首脳陣らが碌に補強もしない球団に対する反発を込めて、わざとやっているのではないかという妙に説得力のある意見すら交わされていました」(スポーツライター)
かつては映画化もされたベストセラー小説「マネーボール」の題材にもなり、少ない資金で才能のある選手を発掘し一時代を築いてきたアスレチックス。でも、近年は観客動員数もメジャーで群を抜く少なさ。さらに今シーズンは惨憺たる成績で、6月5日時点で12勝50敗のシーズン130敗ペース(162試合)と、もう目も当てられない。
そんなチーム状況を象徴するような藤浪の「投げれば炎上」の繰り返しに、球場のブーイングも徐々に日本と同様、ため息に変わってきているとか。
藤浪は致命的制球難、チームは壊滅的経営難、上位浮上は絶望的困難…今シーズンのアスレチックスファンはありえないほどの苦難の連続だ。
(飯野さつき)