米Googleが法人向けのメガネ型デバイス「Glass Enterprise Edition 2」の販売を打ち切ったのは今年3月。同時に日本で販売していたNTTコミュニケーションズでも取り扱いを終了し、Google Glassシリーズの全てが製造中止になったが、このままスマートグラスは廃れてしまうのだろうか?
「Google Glassは2011年頃から開発がスタートし、13年には一部地域で一般ユーザーに向け『explorer edition』の販売が開始されました。しかし、カメラが搭載されていることから盗み撮りやプライバシーの侵害が問題視されるようになり、映画館などでは着用を禁止するところも現れ物議を醸したのです。その後、15年にはexplorer editionの販売は終了となりましたが、2年後には製造や物流、医療といった法人向けが投入され、利用者の拡大が期待されていたのです」(ITライター)
Googleでは突如としてサポートページで販売打ち切りを発表しており、9月15日にはサポートも終了するという。
「ただ、スマートグラスはむしろどんどん新しいメーカーが参入しており、Meta社はRay-Banとコラボした商品を発売。Appleも26年頃までに『Apple Glass』を投入すると噂されています。そのためGoogle Glassの販売終了には驚かされましたが、盗み撮りやプライバシーの侵害が問題になった際、SNSでGoogle Glassユーザーを差別するスラングまで飛び出すなどイメージが悪化してしまったのが大きかったのかもしれません。ただ、Googleは今後もAR(拡張現実)を組み込んだウェアラブル製品の開発には前向きな姿勢を示していることから、Google Glassとは違った名前で再登場する可能性も十分あると思います」(経済ジャーナリスト)
Google Glassシリーズは時代を先取りしすぎていたのかもしれない。
(小林洋三)