侍ジャパンの佐々木朗希投手の粋な計らいに、3月11日に対戦したチェコの選手たちが感激しているという。
日刊スポーツによると、佐々木は13日早朝にチェコ代表が宿泊しているホテルを訪れ、両手一杯の菓子の袋をチェコの選手たちにプレゼントしたという。
「11日の試合で相手打者に死球を与えたお詫びですね。佐々木はチェコ戦の4回表、ウィリー・エスカラ選手に死球をぶつけました。当たったのは右大腿のひざ上辺りでしたが、球速は162キロ。相当痛かったでしょう。エスカラ選手は悶絶して倒れ込み、しばらく起き上がれませんでした」(スポーツライター)
ところがエスカラは激痛を我慢して立ち上がり一塁まで歩くと、大丈夫だと言わんばかりに走るパフォーマンスを見せて観衆を沸かせた。
佐々木の訪問に、チェコ代表はみんなビックリしていたようだ。チェコ代表監督のパベル・ハジム監督も同紙の取材にこう話したという。
「なんというジェントルマン、という瞬間だった。日本の文化、観衆には驚かされ続けている。そして彼がスーパースターだという証だと思う。わざわざ時間を割いて来てくれて、ウィリーにサインボールのお土産までくれた。相手をリスペクトしている表れだよ」
エスカラは、まだヒザが腫れていて痛みも残っているそうだが、12日の韓国戦、13日のオーストラリア戦にも元気に出場した。
「死球を受けたエスカラ選手は昨季、米独立リーグでプレーしたプロ選手ですが、チェコの代表は学生や野球以外の職業に就いている選手がほとんど。なので、対戦相手を敬う姿勢が見え、試合を心から楽しんでいる雰囲気がある。彼らの姿には野球の原点を見る思いです」(前出・スポーツライター)
東京ドームでの土産話を、ぜひ祖国の野球少年たちに伝えてほしい。
(石見剣)