3月3日、外務省はウクライナの地雷や不発弾の処理などの費用、224億円の支援を発表した。
「開戦1年のタイミングでドイツの研究機関の報告では、ウクライナへの支援金額で、日本が先進国最下位だったことが発表された。米国・バイデン大統領(80)も開戦1年のタイミングでウクライナ入りを果たし、文字どおり日本がウクライナを訪問していない不名誉な国となってしまった。それだけに外務省としては依然、岸田総理の現地入りを望んでいるのです」(政治部デスク)
当初の15億ドルに加え、55億ドルを追加支援する政府だが、現地入りした際にはウクライナへの手土産が必要になると言われる。
「岸田総理は昨年11月にインドネシアで行われたASEAN(東南アジア諸国連合)の場で『岸田はウクライナ入りしていない』と言われたことをかなり気にしている。5月までにウクライナ入りを実現させようとしているが、3月は国会での予算審議、4月には統一地方選と政治日程は詰まっている。現実的にウクライナ入りはきわめて難しい。かつて小泉純一郎元総理(81)は敵国・北朝鮮にみずから乗り込み、拉致被害者の奪還に成功した。岸田総理に政治家としてそれだけの気概があるとは思えない」(官邸キャップ)
そんな弱腰総理に浮上したのが、広島サミットへゼレンスキー大統領を招待する仰天プランだ。
「すでに在日ウクライナ大使は、ゼレンスキー大統領が広島サミットに参加する意思があると発表している。さらに、ウクライナの日本大使も、核の脅威にさらされているウクライナの大統領がかつて惨禍にまみれた広島の地を訪れることは世界平和を訴えることに最適だと主張しているのです」(政治部デスク)
このウルトラC案を有馬氏は評価する。
「安全運転を得意とする岸田総理にはまたとない良案です。いまさらウクライナ入りしたところで、世界へのインパクトは少ない。それならば、ゼレンスキー大統領を日本に呼び、平和の議論を醸し、かつ、岸田総理はG7ホスト国としての責務を果たせる。これなら現地入りの危険を冒さずして、広島で帳尻を合わせることができます」
しかし、この秘策も諸刃の剣となる可能性が高い。
「ゼレンスキー大統領を日本に招けばプーチン大統領(70)が黙ってはいない。岸田総理にその覚悟があるかどうか」(政治部デスク)
進むも地獄戻るも地獄。検討・先送りを得意とする岸田総理には、今こそこの難局を乗り切る度量が求められているのだ。
*週刊アサヒ芸能3月16日号掲載