岸田総理はロシアに行くべきだった!?「サンモニ」の提言に視聴者失笑のワケ

 ロシア西部のサンクトペテルブルクで爆破テロが発生し、ウクライナ侵攻を支持していた軍事ブロガー「ウラドレン・タタルスキー」ことマキシム・フォミン氏が死亡し、30名以上が負傷したのは4月2日のこと。その後、爆発物を持ち込んだとされる26歳のロシア人の女が逮捕されている。

 4月9日放送の「サンデーモーニング」ではこの事件を取り上げ、強硬派で知られたフォミン氏の「本気で戦っているのか」「国民を新たに動員すべき」といった生前の発言を紹介。そのうえで「右派を黙らせるために政権側が(爆破テロを)やった可能性も」という専門家の声を伝えていた。

 司会の関口宏はこの事態に「よくわからないなぁ」とこぼして「戦争をやめようって気運が出てきませんね」とコメント。意見を求められた日本総合研究所会長の寺島実郎氏は、「反戦」「反プーチン」がロシア国内で盛り上がらない理由について、「100万人以上のロシア人が、この戦争が起こってから海外に、国外に出たっていうんですね。対抗する勢力をそぎ落としちゃった」と分析。ロシアの「孤立」と「疲弊」は確実に進んでいるとして、「ロシアが大国としてふるまう時代は確実に終わろうとしている」と私見を述べた。

 さらに寺島氏は「一言だけ申し上げたい」と前置きして、岸田文雄総理の「ウクライナ電撃訪問」について言及した。

「日本では岸田さんの支持率が戻ってきているみたいな報道もあるんだけども、よく考えていただきたいのはね、インドに行ったんです。そこからウクライナに入ったんです。本当だったら、G7の議長国として、しかも27回プーチンと面談した安倍政権下の外相だったわけですから。ロシアに踏み込んでですね、プーチンと面談して、なんとかこの戦争の停戦とか和平に向けての条件を探るというかですね。特にインドと連携して動くなんて流れを日本が作っていくことは世界的にも大事なんですよ」

 岸田総理はウクライナではなく、ロシアに行くべきだったという提言にSNSでは《日本の総理がロシア行っても人質になるだけ》《ロシアに行って戦争を止めろだって!?》などと多くの失笑コメントが寄せられていたが…。

「寺島氏はあくまで気概の話をしただけで本気で『岸田総理はロシアに行け』と言ったわけではないかもしれませんが、たしかに岸田総理のロシア入りはかなり困難な状況。というのも、昨年5月にロシアが発表した日本人の“入国禁止リスト”には岸田文雄総理を筆頭に、現役閣僚や国会議員の名が入っていました。いくら国のトップといえども、入国禁止措置のハードルを乗り越えるのは厳しいかもしれません」(フリージャーナリスト)

 日露首脳会談が実現するのはいつの日か。

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