回転寿司大手のくら寿司を運営するくらコーポレーションは、男性アルバイト店員がネットに投稿した不適切動画によって、2月6日の株価が前日比-130円となり、時価総額27億が吹き飛ぶ事態となった。
「件の不適切動画では、アルバイト店員が食材の魚をゴミ箱に投げ捨て、それをまな板に戻そうとするシーンが映し出されています。これが複数のアカウントによって拡散され、現在もネット上に《二度とくら寿司には行きたくない!》といった批判が多く上がっているんです」(ネットウオッチャー)
くらコーポレーションは問題の動画について、「問題の魚はその場で廃棄処分されており、客には提供されていないことを確認した」と説明した上で、「お客さま、株主さま、お取引先さまに対し、上場企業としての責任を果たし、従業員の信頼回復のため」にと、動画を撮影・投稿した男性アルバイト店員に対し、刑事と民事での法的措置を取ることを明らかにしている。
「動画を撮影・投稿したのが高校生のアルバイト店員だったため、法的措置を取るのは厳しすぎるのではないかという声もあるが、損失の額が額だけに当然の動きと言えます。このような“バカッター”を巡っては、過去に1000万円以上の損害賠償を請求する訴訟も起きており、今回は企業側がそれ以上を提示する可能性も考えられます」(経済ジャーナリスト)
今年に入ってから、くら寿司以外にもすき家やビッグエコー、ドミノピザ、セブンイレブン、バーミヤンなどでも相次いで不適切動画が投稿され、問題となっている。
「くら寿司の件もそうですが、動画は主に24時間で自動的に消えるインスタグラムのストーリーに投稿されている。他にもTikTokなど、ユーチューブ以外の動画共有ツールの幅が広がり、気軽なノリで投稿してしまうパターンがさらに増えているということです」(ネットライター)
巨額賠償請求が最も効果的な見せしめになるのかもしれない。
(小島洋三)