Twitterでは10月27日に実業家のイーロン・マスク氏が買収して以降、急速な改革が進められているが、これに広告主や著名人らが反発して広告を停止したり、サービスの利用を辞めるケースが相次いでいる。
「マスク氏は改革の手始めとして、11月4日までに全従業員の半数に当たる約3700人を突然解雇しました。そして翌5日には有料サブスクリプションサービスの『Twitter Blue』を月額7,99ドル(約1170円)に値上げした上で、アカウントを本人のものと認める『認証済みバッジ』を加入者全員に提供。続々と改革が断行されています」(ITライター)
しかし、社員の解雇では誹謗中傷などに対応する投稿管理部門のメンバーが多く切られたといい、自社へのデマやヘイトが増える可能性から米製薬大手ファイザーや独自動車大手アウディなどが広告を停止したと米メディアが報じている。また、カネさえ払えば誰でも「認証済みバッジ」を入手できることについても、《むしろ、成りすましやデマの拡散が増える》という指摘もあり、約700万人のフォロワーを持つ小説家スティーブン・キングも「ふざけるな。お前がこっちに払え」と批判する有様だ。
「他にもマスク氏の改革に『NO』を突きつける著名人は多く、約300万人のフォロワーを持つシンガーのサラ・バレリスも『Twitter は楽しかったけど、私はやめるわ。他のプラットフォームで会いましょう』と投稿して更新を停止。さらに約190万人のフォロワーを持つ女優のトニー・ブラクストンも『Twitter は私自身や息子、および多くの有色人種にとって安全な場所ではなくなったため離れることを選択しました』と利用を辞めることを宣言したのです。他にも人気ドラマのプロデューサーや映画監督など多くのフォロワーを抱えるインフルエンサーたちが続々とTwitterからの脱退を表明していますから、彼らのフォロワーもTwitterから離れて行く可能性は十分に考えられます」(前出・ITジャーナリスト)
マスク氏は以前、Twitterについて「参加自由の地獄絵図のような場所にするわけにはいかない」としていたが、むしろ地獄の混迷期に突入したのかもしれない。
(小林洋三)