ツイッターを運営するX社のイーロン・マスクCEOが4月29日、自身のツイッターを更新。報道機関やニュース配信者が、記事ごとにユーザーに料金を請求できるシステムを新たに導入すると発表した。ひょっとするとこのサービスが、加速する新聞離れの救世主になるかもしれない。
マスク氏によると、「報道機関はワンクリックで記事ごとにユーザーに料金を請求出来るようになる」サービスを5月から公開するといい、「月額購読していない読者が不定期で記事を読みたくなった時、料金を支払うことで読めるようになる」と説明。「報道機関と利用者の双方に大きなメリットがあるだろう」としている。
ここ数年、新聞の発行部数は大幅に減少を続けている。日本新聞協会の調査では、2000年には5300万部あった新聞発行部数が22年には3000万部に減少しているという。ネットの普及によってデジタルシフトしているかといえばそうでもない。確かに電子版の利用者は増えてはいるが、基本的には紙の新聞とさほど値段の変わらない月額読み放題制となっていることもあって、減少する新聞購読者をカバーするほどではない。
「その点、ツイッターでは気になる事件や芸能の話題がタイムラインに流れてきた時に、そのニュースソースとなる記事をワンクリックで気軽に購入できるのは利用者としても便利。報道機関としても一記事ごと切り売りできるのはマネタイズとしても魅力だと思います。ただ、このサービスでは配信側も有料サービスに加入しなければならないと見られ、つい先日には『ニューヨーク・タイムズ』がツイッター有料版の支払いを拒否。マスク氏が罵詈雑言を浴びせる事態になっています。どれだけの報道機関がこのサービスを利用するかは不透明ですね」(ITライター)
最初は様子見といったところだろう。
(小林洋三)