他言無用のマイナカードには12ケタの個人番号が裏面にこっそり記載され、背番号を付けられたようなもの。それだけではない。
「顔写真の貼られた表面には、住民票に載っている名前、性別、生年月日、住所の基本4情報が記載されています。また、内蔵のICチップに写真を含めたこれらのデータが入っている。もちろんそれだけでは容量が大量に余っており、そこに健康保険証、運転免許証、銀行口座などの情報を入れて、ヒモ付けして国民の個人情報を一元化するのが政府の目論見なのです」(政治部デスク)
実際、25年3月までに運転免許証との一体化が発表されているほか、医師や介護士など有資格情報のヒモ付けが予定されている。
「さらに、数年前には当時の高市早苗総務相(61)がクレジットカード機能を搭載すると言い出した時には、買い物リストまでのぞきたいのかとビックリしました。家族旅行のカード払いなら後ろめたくないが、密かな趣味で艶系ビデオや大人用グッズを大量購入したことまでが記録として残るのは避けたいところ。ましてや情報漏洩すれば、性癖まで公然に晒されることになりかねない」(井上トシユキ氏)
マイナカードの野望はこれだけに留まらない。
「次にヒモ付けられる可能性が高いのがNHK受信料です。今年6月、日本郵便は『特別あて所配達郵便』を導入しました。これは住んでいる人の名前がわからない住所にも受信料の請求書を送りつけられるというもので、これまで不在を理由に受信料の未払いを続けてきた人にも強制徴収を迫るものとなります。すでに支払いを義務とする判決が出ているが、マイナカードにヒモ付けされればその住所データが効果を発揮し、たとえ引っ越しても徴収されることになるでしょう」(政治部デスク)
それでも政府は、マイナカードがあればコンビニで住民票が取れる、確定申告で控除を受ける際に自動入力が可能になるなどと、メリットを強調するが‥‥。
「現代のハッカーはロシア軍の機密情報さえ入手できる時代です。一度、マイナカードの情報が漏洩すれば収入や資産、過去の通院履歴や医薬品などから他人には見られたくもない病名までバレるリスクがある。もっと怖いのが、なりすましです。カード内情報を元に名前と住所は本物で、顔写真データを改竄したテロリストが事件を起こす可能性がある」(井上氏)
ハッカー攻撃を絵空事と笑うなかれ。昨年、徳島の病院がサイバーテロにより電子カルテが盗まれ、身代金を要求されるなど、日本も標的になっている。台湾有事などが囁かれ、米中関係が悪化する中でマイナカードのデータを悪用した中国人犯罪者が米国で事件を起こし、悪用された日本人のあなたがFBIに逮捕される日が来ることもありえるのだ。
*週刊アサヒ芸能11月10日号掲載