15年サバイバー医師が教える「ガン再発させない」5つの生活習慣(2)ガンが嫌がる食材

 西洋医学の根底には病気にかかってから治療する、いわば専守防衛的な考えがある。ガンの場合は、できるだけ早期に発見して手術することが、ガン治療のセオリーと言われている。

「ただ、守ってばかりのやり方では、ガンは減らないんです。実際、日本ではガンが増え続けています。ガンになる原因があるにもかかわらず、そこにはメスが入っていないことに、ずっと疑問を感じていました」

 ガン保険のテレビCM等で「2人に1人はガンになる」というフレーズが用いられているが、船戸医師はこれに異を唱える。

「実は2人に2人とも、つまり誰もが毎日ガン細胞を体内で発生させているんです。その数は1日5000〜6000個とも言われています。しかし、いちばん大事なことは、誰もが治す力も持っている。リンパ球などの免疫細胞が、その都度ガン細胞を消してくれるわけです。なのに、なぜ私はガンになったんだろうと考えた時、これまでの生き方(生活習慣)に原因があったと実感した。つまり、自然治癒力の邪魔をする生き方をしていたわけです」

 船戸医師は自然治癒力を引き出す「ガンに克つ5カ条」として「寝技(睡眠)」「食技(食事)」「動技(運動)」「温技(加温)」「笑技(笑い)」の5つを挙げる。

「そもそも、ガン細胞は自分自身の細胞です。そのガンに〝勝つ〟というのは自分自身と争うことになる。ですが導入すべき治療法は自分自身を攻撃して撃退することではなく、その根本原因を克服すること。だから〝勝つ〟ではなく〝克つ〟なんです。まず大事なのが『睡眠』です。ガン細胞が消えるのは夜中の眠っている間です。起きていては当然、消えないということになります。私自身、ガンになる前は、日付が替わる前に寝たことは一度もなかったですからね」

 夜10時から朝6時までの8時間眠ることがベストだが、仕事の都合などで難しい場合でも、最低6時間の睡眠は必要だという。

「『じゅうろく(10─6)睡眠を毎日守っていれば、ガンの再発はない』と、患者さんに話しています。それぐらい人間が自分の体を治そうとする力はすごいんです。次に『食事』ですね。私たちの体は食べ物でできています。当然、ガンも食べた物でできています。ガン体質を変えたいなら、まずは食事を変えましょう」

 船戸医師は〝ガンの嫌いな食材〟として「ふなとのまごわやさしいよ」を挙げる。著書には食品研究家で医学博士の吉村裕之氏が提唱する「まごわやさしい」食材が紹介されているが、これに「ふなとの」と「よ」をつけた最新バージョンだという。

「『ふ』はフルーツ、『な』はナッツ、『と』は豆腐、『よ』はヨーグルト。実は『の』がポイントで英語の『NO MAST』のこと。つまり摂ってはいけない物です。『M』はミート(肉)、『A』はアルコール、『S』はシュガー(砂糖)、『T』はタバコ。肉とアルコールは控えめであればよいのですが、砂糖とタバコは禁止です。わざわざガンの好むものを与える必要はありませんからね」

【ふなとのまごわやさしいよ】とは?

ふ:フルーツ
な:ナッツ
と:とうふ
の:NO MAST(肉、酒、砂糖、タバコはNO)
ま:まめ(大豆やあずき)
ご:ごま(ごま、クルミ、アーモンド)
わ:わかめ(わかめ、昆布などの海藻)
や:やさい(野菜、根野菜)
さ:さかな(特に小型の青魚)
し:しいたけ(椎茸、しめじなどのキノコ類)
い:いも(里芋、じゃがいもなどの芋類)
よ:ヨーグルト(ほか発酵食品)

*「週刊アサヒ芸能」10月5日号掲載。(3)に続く

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