巣ごもりで需要急増「3倍巻きトイレットペーパー」に大問題が起きていた!

「長さ3倍」をうたうトイレットペーパーを目にする機会が増えて久しい。この「3倍巻きトイレットペーパー」は、交換頻度が減り、場所をとらずに収納が出来ることもあって、コロナ禍の巣ごもり需要で売り上げが急激に伸びた商品なのだ。

 ところが、消費者にとって便利なこの商品をめぐって、今、大問題が起こっているという。あるジャーナリストが解説する。

「製紙会社の『日本製紙クレシア』が、9月6日、自社の特許を侵害されたとして、同じ製紙会社の『大王製紙』に対し、製造・販売の差し止めと製品の破棄、3300万円の損害賠償などを求める訴えを東京地裁に起こしたのです。日本製紙クレシアは、従来品より長さが3倍あるトイレットペーパー『スコッティ フラワーパック 3倍長持ち』に採用されている、柔らかさを保ったまま長さを3倍にするために施している表面の凹凸の大きさなど、3つの特許技術が、大王製紙が発売する『エリエール i:na(イーナ)』によって侵害されたとしています」

 実は、需要急増の中、これまでも複数のメーカーが、日本製紙が持つ特許技術を侵害する製品を製造、販売していた。だが、これらについては協議のうえで販売停止となった経緯がある。一方、大王製紙については協議で決着が付かなかったことから、今回の提訴に至ったという。
 
 しかし、この日本製紙クレシアの対応について、ネット上では、疑問の声が多く飛び交ったのだ。

《結局、トイレットペーパーの長さを3倍にしようとすると日本製紙が持つ特許と同じような作り方になっちゃうってことなんじゃないか? それを特許で抑えちゃうというのも問題な気がする》《消費者として言わせてもらえば、長さ3倍のトイレットペーパーも色々と種類があったほうが嬉しい。でも特許のせいでそれが許されないんですね》《最近、ドラッグストアから長さ3倍のトイレットペーパーが次々と消えていたのはそういう理由だったのか。他メーカーのも好きだったんだけどなあ…》

 こうした意見について、あるITジャーナリストは呆れながらこう語るのだ。

「これほど特許に対してゆるい考えを持つ人が多いことには驚かされました。特許という知的財産権の流用を認めるのは、日本の漫画やアニメなどの海賊版も容認しろと言っているのと同じことになってしまいます。製作者の利益を無視してみんなが見られればいい、では許されません。まだ裁判は始まっていないので、今後大王製紙側がどんな反論をするのかはわかりませんが、日本製紙クレシア側の特許技術を侵害していることが認められれば、製品の製造・販売の差し止めは免れないでしょう」

 消費者の利便と特許侵害は全く別の問題だ。日本製紙クレシアと大王製紙の争いの行方が注目されるのである。

(小林洋三)

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