ティッシュ・トイレットペーパー“買い占め”修正がきかない心理状況のナゼ

 SNS上に投稿されたデマが原因で、スーパーやドラッグストアなどでトイレットペーパーやティッシュ—ペーパーが売り切れになる店舗が続出し、フリマアプリで高額出品されたり、ドラッグストアではこれらを求めて早朝から並ぶ人の姿も見られるなど、一種のパニック状態に陥っているのだ。

「2月24日ごろから、“トイレットペーパーやティッシュは製造元が中国で、生産元が生産していなから品薄になる。早めに買っておいた方が良いかもしれない”といった情報がSNSに複数投稿され、瞬く間に拡散していきました。すると、時を同じくして《近所のドラッグストア、トイレットペーパー売り切れてた》との書き込みも多く見られるようになったのです」(フリージャーナリスト)

 こうした事態受け、2月28日に製紙メーカーの業界団体・日本家庭紙工業会は、「トイレットペーパー、ティシューペーパーについてはほとんどが国内工場で生産されており、新型コロナウイルスによる影響を受けず、現在も通常通りの生産・供給を行っております」と声明を発表。同日には岡田直樹官房副長官も買い占めや転売をしないよう呼びかけている。

 しかし、現在もなおトイレットペーパー、ティッシュペーパー、さらにはキッチンペーパーまでもが店頭からは消えた状態で、公衆トイレや飲食店のトイレからペーパーが盗まれるという事態にまで発展している。なぜ、SNSの情報がデマとわかっていながらも、このような状況になってしまったのだろうか。

「マスク不足が恐怖心を助長させたのではないでしょうか。多くの人がマスクを買いたくても買えない状況が前提となり、ティッシュなどの不足の情報はデマだとわかっていても“もし他の人が信用して買い占めたら、マスクと同じように買えなくなってしまうかもしれない”という心理に陥り、自らが買い占めを行っているのです。SNSやメディアでティッシュなどの棚が空になった画像や映像が拡散していることも、これに追い打ちをかけ、デマがいつの間にか事実になってしまった。こうなった以上、在庫が潤沢であるということを、アナウンスではなく目の前の売り場で見られる状況にならなければ、買いだめする人は後を絶たないでしょうね」(経済ジャーナリスト)

“わかっていても”の心理が最も厄介のようだ。

(小林洋三)

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