7月29日、ソニーグループは2023年3月期連結業績予想を発表し、ゲーム事業の下振れによって本業の儲けを示す営業利益を500億円下方修正したことを明らかにした。それでも1兆1100億円もの利益があるのだから凄いのだが、巣ごもり需要の後退が原因と見られている。
「十時裕樹副社長は、営業利益を下方修正したのは『主要市場で外出機会が増加し、ゲーム市場全体の成長が足元で減速している』とコロナ禍の巣ごもり需要で高まっていたゲーム人気が落ち着いたことを要因に挙げました。23年3月期第1四半期(22年4月〜6月)のプレイステーション(PS)の総利用時間は前年同期比で15%減少しており、『ここまでスローダウンするとは予想できなかった』と説明しています」(経済ライター)
今後はPS5の供給を増やし、サービスを充実させていくというが、ネット上では別の問題を指摘する声もある。いわく《巣ごもり需要というよりは、PS5で遊びたいソフトがないのが問題だと思う》《ハイスペックなゲームを楽しみたければパソコンでやるし、気軽にゲームを楽しみたければニンテンドースイッチやスマホゲームもある。ぶっちゃけPS5じゃなきゃ絶対にダメっていうものがない》《PS5は売り方を間違えた。未だに入手困難だけど、PS5よりスペックの良いパソコンは買えるからね。みんな熱も冷めるだろう》など、下落要因は巣ごもり需要の後退だけではないという意見だ。
「動画配信サービスの『Netflix』は4月〜6月の3カ月で会員が97万人減少していますし、オンライン会議で急成長した『ZOOM』も利用者が減少。あれだけ話題となったフードデリバリーも利用者が急減して事業撤退するところもかなり出てきていますから、ゲームも巣ごもり需要の後退が影響していることは間違いないでしょう。加えて、確かに『PS5』は20年11月の発売から1年半以上が経過しても、いまだに抽選や転売からではなければ購入できない状況にあるため、ゲーマーの気持ちが離れつつあるのは事実でしょう」(経済ジャーナリスト)
ソニーグループは今期1800万台の販売を計画しているというが、PSファンとしてはもう少し早めに手を付けて欲しかったところだ。
(小林洋三)