最終回まで2ヶ月を切り、物語も佳境に突入したNHK朝ドラ「ちむどんどん」。沖縄やんばる地方を舞台に、米国からの本土復帰50周年のタイミングにふさわしい作品となったが、視聴率は14〜16%台で推移。近年の朝ドラの中では苦戦を強いられている。
特に地元では大きな注目を集めていたが、放送が始まると一気にトーンダウン。ネット上には批判のコメントが殺到し、メディアからの厳しい批評も後を絶たない状況だ。
「物語は米国統治下の60年代から始まりますが専門家だけでなくファンからも時代考証の粗さを指摘されています。また、クズっぷりが目立つヒロインの兄・賢秀(竜星涼)、交際女性との婚約を一方的に破棄した幼馴染の和彦(宮沢氷魚)など登場人物たちの行動も批判を集めています。民放ならこんな風にバッシングされ続けることはないですが、それだけ朝ドラと大河ドラマは日本人にとって特別な存在なんです」(テレビ誌編集者)
だが、これだけ多くの批判に晒されながらも視聴率は右肩下がりになっていない。そう考えると健闘しているとも言えそうだが…。
「意図的に批判を誘発したわけではないでしょうけど、結果的に炎上マーケティングと同じ状況になってしまった。良くも悪くも話題になっているため、逆に興味を持って見続けている視聴者もいるのでしょう」(同)
一方、同じ沖縄を舞台とした朝ドラでも、01年放送の「ちゅらさん」は今も地元の人から愛されている。
「平均視聴率22.2%で、なかでも沖縄地区での最高視聴率は38%を記録しています。しかも、終了後も03年と04年、07年に続編が放送され、ここまでシリーズ化された作品は朝ドラでも他にありません。舞台となった八重山諸島の小浜島は一躍有名になり、今も聖地として大勢の観光客が訪れています」(同)
朝ドラ史上に残る名作と比べてしまうのはかわいそうな気もするが、「ちむどんどん」は最終回まではまだ数十話残っている。ここからの巻き返しにぜひ期待したい。