立ち食いそばや売店にとどまらず、ビジネスブースや衣料販売店「ユニクロ」など新しい業態の出店が目立つ駅ナカ施設。一般的に「駅ナカ」とは駅の構内、改札の内側に設けられたスペースを指しているが、7月3日放送の「坂上&指原のつぶれない店」(TBS系)では、駅ナカの定義を広げすぎて、地元民から大ブーイングが殺到する事態となった。
番組では、大宮駅構内のフードコート「大宮横丁」や人気スイーツ店「シャトレーゼ」の駅ナカ初出店の模様を取り上げ、急成長を遂げた駅ナカのビジネスを深く掘り下げたのだが…。
番組後半では「驚きのアイデアで行列を作る 日本一行列店がある大阪駅の駅ナカ」と題して大阪駅周辺のグルメスポットを紹介。お笑いコンビ・U字工事と石原良純がリポーターとなって、人気の立ち飲み居酒屋を訪ね、1皿250円の牛のたたきなど、激安グルメに舌鼓。その後も立ち食い寿司やカジュアルなフレンチ店で人気メニューを実食し、スタジオの坂上忍、指原莉乃はお値打ちメニューの数々に驚きのリアクションを取っていたのだが…。
「番組では『大阪駅ナカを調査』のテロップが表示されていたのですが、いずれも『駅ソト』の店ばかり。1軒目の立ち飲み居酒屋は確かに人気店ですが、場所は大阪駅の構内ではなく、大阪駅前第1ビルの地下2階。最寄りは西梅田駅か北新地駅で、これを大阪駅の駅ナカと呼ぶには無理があったかもしれません。地元民と思われるSNSユーザーからは、《駅前ビルを駅ナカと呼ぶのは誇張しすぎ》《どこが駅ナカなん?ウソを垂れ流すな》といった批判が殺到していました」(テレビ誌ライター)
大阪の“駅ナカ特集”の最後に紹介された居酒屋のジビエ料理も物議を醸した。紹介されたのは「シカもも肉の刺身」。鳥取の猟師から直接仕入れたという新鮮なシカを用いているとのことで、表面を湯がいて中は生という状態で提供された。シカの刺身を食したU字工事の益子卓郎は「やわらかい。クセがない」と感想を述べ、相方の福田薫も「噛むと溶けてきて甘みが感じられます」とその味を絶賛。SNSでも《シカの刺身が食えるのか》《おいしそう》といった声が寄せられたが、医師やジビエ関連の職業に就くSNSユーザーからは、《シカの刺身は危ないです》《ジビエのおいしさを発信してくれるのはうれしいけど刺身はアカン》と生食に警鐘を鳴らしていた。
6月には、愛媛県のラーメン店を利用した客が次々と食中毒を発症し、原因となった鶏のレアチャーシューからカンピロバクターが検出され、魚介類ではアニサキス食中毒も問題視されている。紹介するならばジビエの生食の安全性も検証すべきだったかもしれない。