数々の暴言が飛び出した2022年。聞くに耐えない言葉や、中には大人の発言とは思えない幼稚なものあった。ワースト10を、まずは第10位から振り返ってみたい。
第10位は森喜朗元首相。11月18日、都内で開かれた日本維新の会の鈴木宗男参院議員のパーティーの挨拶でやらかした。森氏はロシアのウクライナ侵攻について、
「ロシアのプーチン大統領だけが批判され、ゼレンスキー氏は全く何も叱られないのは、どういうことか。ゼレンスキー氏は、多くのウクライナの人たちを苦しめている」
などと発言したのだ。日本の報道についても「日本のマスコミは一方に偏る。西側の報道に動かされてしまっている」と批判した。ジャーナリストの江川紹子氏は同日更新のツイッターで、《ゼレンスキー大統領に対して批判はあるにしても、「多くのウクライナの人たちを苦しめている」のは圧倒的にプーチン・ロシアでしょう》と反論した。
第9位はタレントの坂上忍。8月30日放送のバラエティ番組「ごぶごぶ」(MBS)に出演したときのこと。坂上は、別のバラエティ番組の企画でダウンタウンの松本人志と浜田雅功を引き連れ、はしご酒をしたことを振り返った。坂上は酒をあまり飲まない浜田の分まで飲んだのがいけなかったのか、記憶をなくすほど泥酔したという。あとから聞いた話で、松本に対し、
「その金髪が気持ち悪いんだよ」
という暴言を吐いたことを知り、「もうだめだ」と後悔したという。
第8位はタレントの石原良純。9月26日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)では、北海道長万部町で発生した巨大な水柱が突然、止まったことを特集した。これまで近隣住民は水柱の轟音に悩まされていたことから、ようやく解放され喜ぶ住民の声などを伝えた。しかし、良純は、
「住民の皆さんはホッとしているだろうけど、僕ら、外から見ている人間はちょっと寂しい」
と、まさかの暴言。水柱は迫力満点ではあったが、近隣住民からしてみれば、迷惑以外何ものでもない。自分勝手な意見に《人としてアウト》といった批判が殺到した。
第7位は気象予報士の蓬莱大介氏。8月2日放送の情報番組「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)で信じられない暴言を放った。この日は全国的に気温が上昇し、埼玉県熊谷市では最高気温が41度になると予想された。中継された熊谷市の電光掲示板の温度計は39度。熱中症などのリスクを考えれば、40度を超えないほうが良いのは自明の理だが、蓬莱氏は気温上昇に注意を呼びかけてはいたものの、
「ただ、若干すみません。気象予報士として40度を超えるのを待っている自分も正直います」
40度超えを歓迎すると言い放ったのだ。当然ながら司会の宮根誠司から、「いやいや、超えないほうがいいですって」と注意を受けてしまった。
「森氏の失言・暴言は恒例行事。21年2月には『女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる』と発言し、猛バッシングをくらっています。坂上は泥酔して本音が出たのでしょう。でも、逆に酒の席だからということで大目に見てもらえたと思います。良純は野次馬根性が過ぎます。近隣住民を思いやる気持ちが少しでもあればあのような発言はなかったでしょう。蓬莱氏の40度超えを期待する発言は、熱中症で命を落とす人もいることを考えれば軽率すぎましたね」(芸能記者)
いい大人による思慮に欠けた発言が目立った10位〜7位だった。
(石田英明)