お笑い芸人の宮迫博之らが、詐欺グループの忘年会に出席していた「闇営業」が波紋を広げている。各テレビ局には宮迫の出演予定に関する問い合わせが殺到しているほか、闇営業でのギャラは脱税に当たるのではとの疑問を呈するメディアも。そんな状況のなか、闇営業問題が芸人以外にも飛び火しているという。
「結婚式の司会者にテレビ局のアナウンサーを呼ぶ例は珍しくありません。知名度の高い局アナを起用すれば結婚式が華やかになりますし、局アナにとってはいい副収入になります。ところが今回、闇営業にスポットライトが当たったことにより、社員である局アナが司会を引き受けることも闇営業にあたるのではないかとの疑問が浮上しているのです。現時点で局アナに司会を発注済の人は、キャンセルになるのではと不安に襲われているかもしれません」(テレビ局事情に詳しい業界関係者)
ただ一般人にとって局アナは縁遠い存在。そもそもどうやって、局アナに結婚式の司会を依頼するのだろうか? 実際に某キー局のアナウンサーに司会を依頼した経験をもつ人物が説明する。
「私の場合は運がよく、仲人を務めてくださった上司にたまたま、テレビ局の知り合いがいたのです。どうやらテレビ局では局アナに司会の依頼を取り次ぐのはよくあることのようで、すぐにアナウンス部まで話が通ったようです。第一希望の人気アナは予定が合わなかったのですが、若手の男性アナを代役として打診いただき、こちらも快諾。その際、上司に話を通しておく必要があるとのことで、こちらの住所や勤務先、略歴などの個人情報をお伝えしました。ギャラは当日にお車代として現金を包みましたが、金額はそれほどでもなく、結婚式場が用意する司会者よりは少し高い程度でしたね」
こういった司会業は闇営業に当たらないのだろうか? 前出の業界関係者がささやく。
「芸人は個人事業主として芸能事務所とマネジメント契約を結び、業務をあっせんしてもらう立場。それゆえ事務所を通さないで直接仕事を受けることは契約違反にあたるので『闇営業』となります。それに対して局アナは社員であり、テレビ局に司会業をあっせんしてもらうわけではありません。ただ“業務”として受けてしまうと問題になるので、結婚式場から司会をあっせんしてもらうことはなく、あくまで個人的に知人からの依頼を引き受けた形にします。そして謝礼も新郎新婦や仲人といった個人から受け取るわけです。なお、会社の定める“副業禁止規定”に抵触するかどうかについては、局アナの結婚式司会が何十年も前から慣習的に行われていることもあり、会社への報告を前提に黙認する形になっているようです」
ちなみに地方局では大株主の地元企業が結婚式場を運営しており、なかば義務的に司会に駆り出される例もあるという。ともあれ局アナへの司会依頼を検討している人は、闇営業を心配する必要はないようだ。