ウクライナでロシア軍によって血も涙もないジェノサイドが行われているという目も耳も覆いたくなるような残虐な行いが毎日ニュースで伝えられているが、侵略には略奪も付きもの。ベラルーシのメディアが4月上旬、テレビから楽器、自動車の部品まで、民家から略奪した大量の物資を大型トラックで運び込んではロシア系の物流会社に持ち込んでいる様子を伝えた。本国に送られた後ロシアの国民は、これら“戦利品”をそうとは知らずに喜んで日常で用いることになるのだろうか。
こうなればもはや「盗賊」だが、前線では“コソ泥”も多くいるようで、死亡したロシア人兵士の様子を伝えるニュースが、この度なんとも不名誉な賞を受賞したという。
「ウクライナ北部の街のイルピンで死亡したロシア人兵士が着ていた防弾チョッキは防弾素材が抜かれていて、代わりに民家から盗んだMacBookが入っていたというのです。SNSのテレグラムにウクライナ兵士が、被弾して破壊されたMacBookの写真を上げてこれを報告。キーフのインデペンデント紙の記者がツイートしたことで、この話が拡散しているそうです。海外の独立系メディアはこれを4月5日の日付で報じています」(週刊誌記者)
すると、世の中のバカげた行為により命を落とした人物を表彰するダーウィン賞が、早速このニュースに賞を与えた。ダーウィンとは、あの「種の起源」を記した進化生物学者のチャールズ・ダーウィンからとられたもの。ダーウィンの進化論は、劣った遺伝子を持つ種は滅びるというものだから、笑うに笑えない最高度のブラックジョークを狙った賞だ。匿名のグループがメーリングリストを共有しつつ賞を運営しているとされる。
過去には、男らしさを示すためにチェンソーを首に当てて死んだ人物や、塗ると不死身になるというローションを体中に塗って友人に撃ってもらって死亡した人物のニュースなどが受賞している。MacBookを目の前にして欲に目が眩んだこの兵士こそ表彰すべきということで、そこには今回の戦闘の愚かさを訴える意図も含まれているのかもしれない。
「受賞を伝えるページには、ニュースの概要を伝えるコメントが付されていますが、そこには『インスタントカルマ』つまりは『因果応報』とあります。まさにその通りでしょう」(同)
だがこのニュース、インデペンデントなメディアが伝えるのみなので、これが事実かどうかは不明。ダーウィン賞も2015年にフェイクニュースに賞を与えてしまって、後に取り消したこともある。ただ、ロシア軍が行う蛮行を考えれば、いかにもありそうな話ではある。
(猫間滋)