国際軍事アナリストが続ける。
「ところが、プーチンが曲がりなりにも信頼を寄せているのは『首都キエフにあるウクライナ指導部はヒトラー並みの悪人ぞろいで、キエフの政権は人間以下の存在』と公言して憚らないパトルシェフ1人だと、米諜報筋はみています。そのため、プーチンは反逆の恐れがある他の3人はもとより、最側近とされるパトルシェフも含めた4人の側近をカザフスタンに近いウラル山脈の地下にある秘密の大統領執務室に招集。外部と接触したり逃げ出したりすることのできない幽閉状態に置いている、との調査報告も上がってきました」
そこで思い出されるのが、侵攻開始3日前の2月21日に開かれ、その模様が全世界に配信されたロシア安全保障会議での一幕である。ドネツク共和国とルガンスク共和国のウクライナからの独立問題について「あの、私は、私は‥‥」などと言い淀むナルイシキン氏に業を煮やしたプーチン大統領は「はっきり言え!」「イエスかノーだ!」などと恫喝同然にまくしたて、直立不動のナルイシキン氏に「はい‥‥両国の独立承認の提案を支持します」と言わせている。まさに現在の暴君ぶりを彷彿させるワンシーンだった。
「モスクワにあるクレムリンにも大規模な地下シェルターが存在します。ところが、CIAがかねてからクレムリン内に潜入させ、築き上げてきたエージェントやスパイによる暗殺、そしてアメリカをはじめとする西側諸国からの核報復を恐れるあまり、プーチンはウラル山脈とモスクワを行ったり来たりしていると、米諜報筋はみています。そのため、軍事侵攻後にロシア側から配信されたプーチンの映像にも、クレムリンで事前に撮影・収録されたものや、秘密の大統領執務室で撮影されたものなどが混在していると言われている。いずれにせよ、侵攻後の軍事エスカレーションも含めた一連の蛮行は、プーチン自身の疑心暗鬼や焦りなどが渦巻く危機的なタコ壺状態の中で進められてきた、というのが米諜報筋の結論なのです」(国際軍事アナリスト)
しかもこの間、CIAをはじめとする米情報筋からは、プーチン大統領は自身の身の安全の確保に神経を尖らせているだけではなく、31歳年下の愛人と4人の子供をスイスにある別荘にいったん退避させた後、ロシア国内のアルタイ共和国にある地下シェルターに再退避させたとの情報も飛び出している。なんでもこの地下シェルターは、プーチン大統領が核戦争に備えて作らせた最先端の地下都市の中にあるというのだ。
*「週刊アサヒ芸能」3月24日号より。【4】につづく