テリー で、これから辻元さんはどうするの?
辻元 今回、落選が決まった瞬間に「もう1回、自分の政治姿勢を点検しろ」って有権者の声が聞こえたような気がしたんですよ。
テリー 政治姿勢は間違ってないじゃない。
辻元 でも、やっぱりね、今日この洋服を着てきたのは、私は「ピースボート」とかやってて、テリーさんに初めて会った頃は、何かあったらリュックサックでどこにでも行って、それをなんとか政治につなげようと活動してたんです。だけど、いつしか永田町人間っていうか、そういう現場とはかけ離れたところで政治の駆け引きだとか、そういうことに引っ張られすぎていた気がするんですよ。だからもう一度、現場感覚というか、みんなと一緒に作るという感覚を取り戻したいなっていう。それと、弱音を吐いちゃダメっていうのに縛られてたような気がする。
テリー あぁ。
辻元 政治家って圧倒的に男性が多いんですよ。そしたら、やっぱり男性の論理で動く世界だから、国対委員長をやった時も「女にできるのかよ」とかって言われたりもしたから、とにかく隙を見せちゃいけないって、鎧を着て仕事をしてたんですね。でも「私しんどいねん」とか、時には弱音も吐かないと、どんな仕事でも破綻しちゃうんじゃないかなって。だから自分を大きく見せず、自然体で活動したいと思ってます。
テリー よくさ、選挙に落ちたら政治家はただの人とか言うけど、収入ってどうなるの?
辻元 とりあえず、定期収入はゼロになります。
テリー そんなにお金あるわけじゃないでしょう。
辻元 はい。私たちは選挙で使っちゃうんです。
テリー そうすると貯金を崩していく?
辻元 貯金も少ないけど。今日も大阪から出てきて、友達の家とか安宿に泊まって。「東京は高いから節約せな」みたいな(笑)。
テリー 今度の参院選は出ないの?
辻元 地元の支持者や仲間の議員からも言われていて。早く結論出さなきゃいけないんだけど、正直まだ疲れていて。どう思います?
テリー 勝算は?
辻元 わからないです。「日本の危機なんだから、出るなら全国比例でしょ」とも言われる。そしたらテリーさんにも「辻元清美」って、初めて書いてもらえるんだけど‥‥これ、覚悟がいるんです。大阪の問題が日本中に広がっているのは間違いないけど、しんどいよ。日本中の人に「辻元清美」って書いてもらわなきゃいけないんですよ!?
テリー やりなよ。辻元さんみたいな人が国会にいないとつまんないよ。
辻元 それよく言われるの。道歩いてても「あんたおれへんなら国会中継見る気せえへんわ」とか(笑)。
テリー それいいよね。「私がいないと国会寂しいでしょう。永田町寂しいでしょう」って演説で言うの。
辻元 アハハハハ。
テリー だって安倍さんや岸田さんがどうだって批判なんか誰でも言えるもん。それより「辻元清美がいなくていいんですか」「たまに失言もするけど、こういう人間がいないとダメなんですよ」って言うほうが、聞くほうもわかりやすいと思う。
辻元 じゃあ、テリーさんの意見を参考にしながら。
テリー この対談、発売は2月1日なんだって。
辻元 その頃までには、覚悟が固まっているかな。どうなるのかな、私。「待て、次号」みたいな感じですね(笑)。(編集部注:1月31日に出馬表明)
*テリー伊藤対談【4】へ続く