テリー ご無沙汰です。お元気ですか。
辻元 はい、元気です。でも、えらい目にあって(苦笑)。でね、今日、テリーさんに初めて会った時の服を出してきたんです。
テリー じゃあ20年前?
辻元 ううん。36歳で初当選してバンザイした時のだから26年前。
テリー そんなになる?
辻元 そう。で、そのあと雑誌か新聞の座談会をテリーさんと佐高信さんとやった時も、テリーさんに会うのがうれしくて、この服を着て行って。その時に撮った写真を大きく引き伸ばして額に入れて、ずっと事務所に貼ってたの。
テリー それはうれしいな。
辻元 で、今日はまたちょっと大変な時に、テリーさんに会えるから、引っ張り出してきたの。
テリー ありがとうございます。でも、その服がまだ着られるなんてスゴいな。全然スタイル変わってないもんね。
辻元 いや、全然太ってるんです。でも、なんとかごまかして。
テリー でさ、なんで落ちちゃったの? 日本維新の会が強かった?
辻元 そうですね。衆院選が始まった時に維新をどう思うかって聞かれたから、「国会では大阪のローカルパーティーだと思われてる」「永田町もメディアもあんまり眼中にないかもしれない」というようなこと言っちゃったわけ。そしたら、それが何度も放送とかで使われて、「辻元は傲慢だ」と。
テリー へぇ。
辻元 で、鈴木宗男さんなんかも応援に来て、私を「頭に虫がわいた人」とか、吉村(洋文)さんも「辻元清美が何の仕事をしたのか」とか、ものすごく個人攻撃を受けたわけですね。
テリー それは失言だったってこと?
辻元 維新は「身を切る改革」って言ってるけど、それ以外の政策は自民党を補完するような形だから、「あれは野党なのか」って思っていて、それを素直に言っちゃったんですよ。今では、大反省してるんだけど。
テリー 選挙前の予想は?
辻元 メディアとか各党の世論調査では、私が有利って書かれてたし、自民や維新の予測もそうだったらしいです。なので、いろんなところに「よろしくお願いします」って行っても「辻元さんは大丈夫」って言われるわけです。でも、言われるたびに、私はダメかもしれないっていうか。
テリー 危機感があった。
辻元 先輩方から「大丈夫って言われる選挙は危ない」って教わってきたので。でも票数でいうと、私、8回衆議院選挙を戦ってるんだけど、3番目に多い票を取ってるんです。
テリー あ、そうなんだ。
辻元 でも、維新がそれを上回る票を取ったと。
テリー 何票ぐらいの差があったの。
辻元 1万票ちょっとです。私が6万7000弱で、維新が8万以上ですね。
辻元清美(つじもと・きよみ)奈良県生まれ。大阪育ち。早稲田大学在学中に国際NGO「ピースボート」創設。1996年、衆議院選挙にて初当選。NPO法を議員立法で成立させ、被災者生活再建支援法、情報公開法などの成立に尽力。2009年、連立政権で国土交通副大臣、2011年には災害ボランティア担当の内閣総理大臣補佐官に就任。2017年、立憲民主党の結党時より、同党の女性初の国対委員長を2年間務める。2021年、衆議院選挙にて落選。著書に「国対委員長」(集英社)などがある。
*テリー伊藤対談【2】に続く