元メジャーリーガーで、今年から巨人の一員となっている岩隈久志投手が5月30日、自らのインスタグラムに小学5年生の長男の痛々しい背中の写真を掲載して(現在は削除)、ファンをびっくりさせた。
岩隈投手は、「息子がクラスの女の子が暴力を受けているのを助けて、自分が殴られてしまいました」と、手形のように見える赤く腫れ上がった長男の背中の写真を公開。説明によると、長男はクラスの女子が暴力を振るわれているのを助けると、自らが壁に押し付けられたり背中に馬乗りされて殴られたという。それに対して、長男は一切やり返さなかったのだとか。暴力とは無縁に育った長男はショックを受けているものの、周囲からは「(手を出さなかったのは)すごいと思います」と讃えられ、岩隈も「息子は本物のヒーローだと誇りに思います!」と綴っていた。インスタのコメント欄にも《息子さんの勇気ある行動に感動》《立派な息子さんですね》《息子さんの行動、素晴らしいです》などと賛辞があふれた。
「確かにいじめを発端とする痛ましい事件が続いていますし、陰湿ないじめには保護者が介入しないとなりません。だとしても、果たしてSNSに公開する必要があったのかは疑問ですね。殴った側が全面的に悪いとしても、しょせんは小学生。岩隈さんほどの発信力がある人が、個人を特定されかねない方法で世間に訴えるのは正しいやり方だったのか。さらに、子どもたちに聞いた話として、そのいじめっ子は『いつも女の子に暴力をふるっている』『悪知恵が働くそう』と書いています。たとえ事実だとしても、一方の意見を聞いただけで公表することではないと思いますし、ここまで知れ渡ったらそのいじめっ子には弁解の余地すらなくなってしまいそう。こうしたところが《いじめは撲滅しないといけないけどやり方に疑問》《有名人で影響力がありすぎます》と懸念されているのです」(女性誌ライター)
岩隈投手は2017年に立ち上がった「BE A HERO PROJECT」といういじめ撲滅運動の発起人になっている。いじめや暴力のない社会実現のための行動は必要だが、相手もまだ10~11歳の子どもたち。できれば勧善懲悪ではなく、いじめた側の少年もいつかヒーローになれるようなフェアな活動であってほしい。
(小机かをる)