携帯電話「4割得する」料金プラン攻略術(1)新料金プランは「横並び」に

「携帯料金は4割程度下げる余地がある」と菅義偉官房長官がぶちまけたことで、大手3社が慌てて打ち出した新料金プランが出そろった。読者のお小遣いをも左右する携帯電話代をお得に利用するにはどうすればいいのか? 機械にめっぽう弱い記者がガッツリレポートする。

 今やすっかり「令和」おじさんの愛称でおなじみの菅義偉官房長官(70)が昨年8月、怒りをぶちまけたのが全ての発端だった。

「携帯電話料金は海外と比べても高い。4割程度下げられる余地がある」

 ふだんならばコワモテで知られる菅氏の一挙手一投足に拒絶反応を示す記者も、携帯電話が安くなるなら大歓迎。なにしろ、平均すると月に1万円から1万5000円も支払っているというだけに、4割下がれば、実に年間約7万円もの小遣いが捻出できるからだ。

 実際、4月15日に最大手のドコモが、続いて5月13日には、業界2位のauが新料金プランを発表。いずれの会社も「最大4割」の値下げをうたって、大々的なキャンペーンを繰り広げている。では、業界3位のソフトバンクを加えた3社のうちで、どこがいちばんお得なのか。スマホ/ケータイジャーナリストの石川温氏が解説する。

「大手携帯キャリア3社の料金プランのお得度としては、現状では〝後出しジャンケン〟のauがやや強い状態。ドコモや昨年9月に現行の料金体制になったソフトバンクも、auの発表を受けて、新料金プランのサービスがスタートする6月1日までに微調整を加える可能性があります。ただ、大手3社に限れば、ライバルに先んじるためにさらに大幅な値下げをすることは考えづらい。そういう意味では、最終的に基本の料金プランは似たり寄ったりで、ほぼ横並びに落ち着くことになりそう」

 とはいえ、1円でも安く携帯電話代を抑えたいと思うのが人情というもの。だが、機械オンチの記者のように、購入時に立ち寄った携帯会社のショップ店員に言われるがままの設定で月々の携帯代を支払っている人も少なくないだろう。

 そこで多くの人たちは、短絡的にこう思うはずだ。

「そうだ。現在のドコモからお得そうなauに携帯会社を替えればいいんじゃないのか!」

 だが、ちょっと待ってほしい。先の石川氏はこうも続けるのだ。

「大手3社間の乗り換えは面倒が増えるだけで、現実的ではないでしょう。重要なのは、自分の携帯の利用状況を把握し、各キャリアでの損のないプランを選択することだと思います」

 実際、現在の電話番号のまま、携帯会社を乗り換えるナンバーポータビリティという制度があるものの、解約料金や転出・転入の手数料など余計な支出がかかる可能性もある。ましてやその手続きもかなり面倒だ。

 ならば、残る手段は石川氏が指摘する、料金プランの見直しに活路を見いだすしかなさそうだ。

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