動画配信サービス大手のNetflixが9月28日、インディーゲームを開発するNight School Studioを買収したことを明らかにした。Netflixは7月20日にゲーム事業に参入すると表明しており、ゲーム開発に本腰を入れると見られているが、ゲーム事業での成功は難しいとする声もある。
「同社は18年第4四半期の業績発表で『我々が戦っているのは『HBO』(ケーブルテレビ)ではなく、『フォートナイト』(オンラインゲーム)であり、そして負けている』とするなどゲーム事業に対する強い意識を持っており、今年8月以降、ポーランドやイタリア、スペインでAndroid向けゲームアプリを配信し始めているんです」(ゲームライター)
そんな中、今回買収したNight School Studioは日本未提供のアドベンチャーゲーム「OXENFREE」が海外では非常に人気で、ドラマティックな演出が高く評価されており、Netflixのドラマをゲーム化するのには相性が良いと見られている。
「Amazonやディズニーなど動画配信サービスはコンテンツの奪い合いとなっており、どこも会員数の伸びは鈍化していますから、動画以外の新たな収益源は喉から手が出るほど欲しいでしょうね。Netflixは会員に対して追加料金なし、ゲーム内課金なし、広告なしでゲームを提供することを表明しているので、ヒット作が出れば会員数が爆増する可能性もあります。ただ、ゲーム市場は多くの企業が狙っており、GAFA各社もクラウドゲームサービスなどを展開していますが、どこも非常に苦戦しており、成功を収めているとは言い難い状況にあります。NetflixもNight School Studioを買収しましたが、オリジナルドラマのゲーム化だけではなかなか新規会員は増えないでしょうし、しっかりとコストを掛けて本気で挑まなければ、むしろゲーム事業が足を引っ張ることになりかねません」(前出・ゲームライター)
Netflixの新たな挑戦は吉と出るか凶と出るか。
(小林洋三)