西武ライオンズが7日、松坂大輔投手の引退を発表。本人の肉声がなかったこともあろうが、「平成の怪物」の引退にしては世間の反応はあまりに薄い。
「横浜高校時代の甲子園では決勝戦でノーヒットノーラン。のちの田中将大や斎藤佑樹も及ばないほどの無双のヒーローでした。プロに入ってからもデビュー年から3年連続最多勝。イチロー選手との初対戦では3打席連続三振。MLBに移籍してもボストン・レッドソックスで18勝を挙げる年もあったりと、まさに野球の申し子でした。『松坂世代』という言葉もできるほどの時の風雲児でしたから、そんな松坂投手の引退となれば日本中から惜しむ声があふれても不思議はないはず。ところが後輩選手やOBは労いのコメントをしているものの、一般の野球ファンから『寂しい』という声があまり聞こえてこないのが意外でしたね」(スポーツライター)
それどころか、松坂の去就に関してネガティブな声が思いのほか多かった。
松坂大輔の「大輔」は、”元祖”甲子園アイドル・荒木大輔投手にちなんでつけられたもの。その荒木大輔先輩は4年間、西武ライオンズの一軍投手コーチを務めており、松坂と接点があった。そして荒木コーチは今回の引退の報に「すごくいい時を過ごさせてもらった」と感謝しつつも、独特の表現で労らったのだ。
「荒木さんはスポーツ紙の取材に対し『茶髪だったりね。服装なり、時間のルーズさであったり、挙げればきりないほど悪いやつなんで。ただ、こと野球に関してはもうしっかりやれる子だった』と、褒めてるのか貶してるのか分からないようなことを語っていた。それもあってか、ネット上ではイチローがWBC時代に松坂に『深いところで野球をナメてる』と発言したことが再びクローズアップされたり、ケガで戦列を離れている時にゴルフをやっていたことを掘り返したりと、黒歴史を振り返るツイートだらけになりました」(スポーツライター)
いまや、黄金時代の松坂を知らない世代が増えていることも拍車をかけているという。
「現在の10代や20代前半の野球ファンにとって、松坂大輔は完全に過去の人。毎年出てくるのは引退か現役続行かのニュースだけ。そのあげくにゴルフ騒動を起こしたりですから、若いSNS世代から惜しむ声がほとんど出ないのも頷けます。やはり、スーパースターこそ引き際が肝心だと改めて実感しましたね」(前出・スポーツライター)
もちろん、松坂投手がプロ野球界に遺した栄光は消えることはない。今後は指導者の道を模索しているとのこと。ぜひ、野球をナメないで”松坂2世”を育ててほしい。
(飯野さつき)