団体競技において、明るい行動はチームを活気づける。だが、結果をともなわないときは、非難の的となる。
4月上旬、なでしこは欧州遠征を行った。FIFAランク4位のフランス、同2位のドイツと対戦したが、勝ち星なしに終わった。
「日本のFIFAランクは7位。強豪国と対戦したのだから結果として受け止めるしかないでしょう。問題なのは、その試合内容です」(専門誌記者)
なでしこジャパンはこの2試合で計5失点という体たらく。しかもその失点のほとんどが、サイドからゴール前に放り込まれたクロスがきっかけだった。同じパターンで失点を繰り返すということは、この対策をやってこなかったか、守備面の作戦が完全に見破られているかのどちらかだろう。
「サッカー女子のワールドカップは今年6月に開幕します。欧州遠征で課題が明確になったので、むしろ良かったのでは」(TV局スポーツ部員)といった前向きな意見もあったが、「大丈夫か?」という心配の声は尽きない。しかも「その大丈夫か」は、別の意味でも使われていた。
「行きの飛行機で、選手たちははしゃいでいました。眠っている選手にいたずらする『寝起きドッキリ』まで行う始末。その様子がネット上でも公開され、不快感をあらわにするサッカー協会スタッフもいました」(前出・専門誌記者)
サッカー女子代表の飛行機移動は、10年ほど前まではエコノミークラスだった。2大会前にワールドカップで優勝し、待遇面が見直されたものの、それまではオリンピック出場時も「女子はエコノミー、男子はファーストクラス」といった待遇差があったようだ。
現メンバーはその当時のことを知らない。しかし、高倉麻子監督は不遇の時代を体験している。今回の行為は見逃されたようだが、悪ふざけが続くようなら、カミナリが落とされるだろう。
「帰りの飛行機は大人しかったそうです」と前出・専門紙記者は庇うが、負け試合の後にはしゃいでいたら、それこそ大問題だ。ディフェンスはもちろんだが、機内マナーも見直すべきだろう。
(スポーツライター・飯山満)