東京ドームが乗っ取られる!? 投資ファンドの「社長解任要求」と命名権の行方

 10月20日、東京ドームは香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」から臨時株主総会の招集を請求されたと発表した。オアシスは臨時株主総会で長岡勤社長ら取締役3人の解任を求めているといい、これにネット上では《中国による乗っ取りでは!?》と危惧する声が相次いでいる。

「東京ドームによれば、10月7日に議決権の3%以上の株式を持つオアシス・マネジメントから書面が届き、東京ドームの命名権の販売やホテルの運営の見直しなど業務改善策の提案について対話を拒絶し、非効率な経営を続けているとして臨時株主総会で取締役3人の解任を求めているといいます」(経済誌ライター)

 たしかに、プロ野球の試合が行われる球場では、「メットライフドーム」(西武)、「ZOZOマリンスタジアム」(ロッテ)、「MAZDA Zoom−Zoomスタジアム」(広島)、「福岡ペイペイドーム」(ソフトバンク)などが、ネーミングライツで収益を得ている。知名度抜群のジャイアンツのホーム球場ならば、大きな収入源になることが予想される。投資ファンドの主張が事実ならば、近い将来、東京ドームの名が金で買われる可能性はゼロとは言いきれない。

 しかし、東京ドーム側は「最後に面談を行った6月以降、面談の要請はなかった。対話の日程調整を行っているさなかに一方的な提案を受け、困惑している」と主張。これにネット上では、《香港ファンドといえば聞こえはいいかもしれないが、今や中共の出先機関。もはや中共関係とは株、不動産は取り引き禁止すべきだ》《本性を現したか。政府がしっかり対策をとらないと今後中国資本にどんどんやられることになる》《これから弱ってる企業など総ざらい持ってかれる》などの意見が数多く寄せられている。

「中国の企業や富裕層は日本の観光地や森林などの水源地、自衛隊基地周辺の土地などを爆買いし、さらには日本企業も次々買収していることから、以前から中国による“日本乗っ取り”を不安視する声はありますが、今回の件に関していえば、3%程度の株式の保有で取締役を解任するのは難しい。東京ドームは新型コロナウイルスの影響でイベントが激減。ドーム使用料や飲食関連の収入が落ち込み、今年度はグループ全体で180億円の最終赤字になる見通しなので、経営陣に圧力をかけ、危機感を持たせたいという思いもあるのではないでしょうか」(経済ジャーナリスト)

 いずれにせよ、今後の両者の出方に注目だ。

(小林洋三)

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