えっ、協賛じゃなかったの? WBC「東京ドーム大会」で最も得した企業とは

 日本通運、コナミ、興和、THK、カーネクスト、檸檬堂、三菱UFJ銀行、セールスフォース・ジャパン、KDDI。これら企業や商品の共通点はわかるだろうか?

 実はこれらは全て、WBCの協賛企業。試合中、会社名が球審の後ろに映ったり、ヒーローインタビューの際に、背景のパネルにロゴが映ったりする事で、企業名や商品名の認知度向上を図っていることは言うまでもない。

 そのスポンサー料は公表されていないが、WBC2017年大会の総収入が推定で1億1000万ドル(約145億円)だったことを考えると、間違いなく億単位のお金がスポンサー料としてMLBサイドに支払われているのではないだろうか。

 しかし、WBCの協賛企業ではないが、企業名が何度もテレビに映っていた企業があった。「KEY COFFEE」だ。

「大谷翔平やダルビッシュ、栗山監督らのベンチ内での表情が映し出されると、ダグアウト上にあるKEY COFFEEの文字が何度も映しだされました。視聴者の中にはKEY COFFEEもWBCのスポンサーと思った人もいるのでは」(テレビ関係者)

 実はKEY COFFEEは、WBCではなく東京ドームのスポンサー。後楽園球場時代から広告を掲出している。今回は東京ドーム開催、そして繰り返しベンチの映像が流された事により、想定外の広告効果が生まれたようだ。

 喜怒哀楽を表すサムライジャパンの選手たちの姿と共に映る企業名は当然好印象となる上、プライミング効果により、観戦中や観戦後にコーヒーを飲みたくなった人も多いだろう。イタリアベンチのベンチにはエスプレッソマシーンが置かれていたので、より視聴者は“コーヒー欲”をそそられたかもしれない。

「イタリア戦の平均世帯視聴率は48%で、東京ドームで行われた日本戦5試合の視聴率は軒並み40%超え。そんな中、毎回バンバン企業ロゴが映っていたのですから、ライバルのコーヒーメーカーは悔しがったでしょうね。WBCのスポンサーにコーヒー関連の企業がないので、ブルーの地に黄色い文字が映るのに何の制限もなかったのでしょう」(前出・テレビ関係者)

 大会ではなくスタジアムに広告を出していたことから、高視聴率の試合で何度も企業名をアピールすることとなったKEY COFFEE。今回のWBC東京ドーム開催で、一番ラッキーな企業と言えるのではないか。

(ロドリゴいしざわ)

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