7月5日に投開票された東京都知事選挙にて、2期目に挑戦した現職の小池百合子氏が盤石の当選を決めた。得票数は約366万票にのぼり、次点の宇都宮健児氏が獲得した84万あまりの票を4倍以上も上回る圧勝劇となった。
投票率は前回の都知事選を4.73ポイント下回る55.0%で、小池氏の対立候補を推していた人々からは「投票率がもっと高かったなら…」「組織票にかなわなかった」との声も数多くあがっている。だがそれらの声は、今回の都知事選に関して言えば、まったくのお門違いだというのである。
「無党派層は対抗馬に入れるはずだから、得票率が高いほうが望ましいとの声が出るのはいつものこと。しかし共同通信社の出口調査によると無党派層の56.9%が小池氏に投票しており、朝日新聞社の出口調査でも54%に及ぶなど、頼みの無党派層ですら小池氏支持が優勢でした。今回の都知事選ではこれまでにも増してツイッターなどのSNSで、反小池派と思われる著名人らが『選挙に行こう!』とのアピールを大連呼していましたが、有権者の選択は彼らの予想とは大きく異なっていたようです」(週刊誌記者)
それでは投票に行かなかった約515万人の有権者も全員投票したと仮定した場合、小池氏が負ける条件はどんなものなのだろうか?
「小池氏と次点の宇都宮氏は282万票差。これは非投票者の54%にも上る数字です。しかも今回の都知事選では宇都宮氏の得票率が13.7%で3位の山本太郎氏が10.7%、4位の小野泰輔氏も10.0%とほぼ横並びでしたから、非小池票が三者で割れるのは確実。そうなると次点以下の候補が小池氏を上回る確率は事実上ゼロではないでしょうか。山本太郎氏が会見で『いや〜強かった、百合子山。高かった、百合子山』と山にたとえて、その強さを称えていたのが印象的でしたね」(前出・週刊誌記者)
小池都政への評価はともかく、少なくとも今回の選挙に関しては「いくら投票率が上がったとしても小池氏圧勝」だったことは確実だったようだ。
(北野大知)