「なんでフジテレビさんなの?って思いはありますよね。そりゃあ、月9の『抱きしめたい!』(1988年)でブレイクした恩義はあるしかもしれないし、うちは報道とかあんまヤル気ないのもわかるけど、『石田純一のサンデーゴルフ』っていう冠番組があるんだから、よりによって…っていう思いは他局さんも感じているんじゃないですか」
怒りをにじませながら語るのはテレビ東京の関係者だ。石田純一は5月14日、「とくダネ!」(フジテレビ系)において、退院後、初となる電話での生出演を果たした。その前日には同じくフジテレビの「Live News it!」の単独インタビューに電話で応じていた。これが大不評を買っているというのだが……。
新型コロナウイルスに感染した俳優・石田純一が自身のブログを更新し、退院したことを報告したのは5月13日のことだった。石田は4月10日に仕事のため沖縄へ行き、翌11日に身体がだるく感じ、同月13日に東京へ戻るまでホテルで休息。その間、発熱や咳の症状はなかった。だが、同月14日病院にて肺炎の傾向が見られたため入院となり、PCR検査を受けた結果、15日に陽性が確認された。その後、治療薬の候補となっている「アビガン」を投与され、4日ほどで平熱に戻ったとラジオ番組で報告していた。
5月13日にオンエアされた「Live News it!」の単独インタビューにおいて、直筆のメッセージについて、「かなり批判が強いと。いろんなことでお叱りを受けたり、反省しろと、そういうお話をいっぱい頂いたので、自分で心境を書かせて頂きました。僕が肺炎にかかったということで、他局ですけど、今まで撮っていたテレビ番組とかOAできなかったりとか、大変なんです本当に…」、「それからレギュラー番組も降ろせと、CMも降ろせと、そういうもういっぱいお叱りが来まして。 自分が肺炎になったことで、多大なご迷惑をおかけした部分は絶対否めないわけですし、不快な思いをさせてしまった方々にも、本当に深くやっぱり反省していることと同時に謝りたいです」と理由を明かした。
ここで石田が言及していた番組が「石田純一のサンデーゴルフ」(テレビ東京)を指すのなら、冒頭のテレビ東京関係者が明かした「なぜフジテレビなのか」という怒りのワケも理解できる。
ブログやテレビ局のインタビューでたびたび謝意をあらわにした石田だが、一方、ネット上では「病気にかかったことが悪いんじゃなくて、すべての国民が自粛生活をさせられている中で、好き勝手な生活を送っていたのが問題。もうメディアには出ないでほしい」、「本当に反省しているなら、病床からテレビ局に電話かけようとか、こういうインタビューも自粛すると思うけどな。結局、話題作り優先ですね」など、いまだに厳しい声も多い。
民放テレビ局の情報番組スタッフは語る。
「石田さんといえば、トレンディードラマで活躍していた当時、不貞が発覚した際の“文化発言”で世間の猛バッシングを受けて芸能生活の窮地に陥りました。そうした苦い経験もあってか、近年はどんなマスコミに対してもていねいに取材に応じ、あえて私生活をバンバン明かすことで、メディアの“好感度”が上昇。以降、石田を真っ向から批判するメディアは減ったように思えます。今回のフジテレビの情報番組への電話出演は、いい面もありますが、これまで貫いた全方位外交という面では、他局に批判する口実を与えてしまったとも言えます」
さらに情報番組スタッフは4年前の出来事を振り返る。
「4年前の東京都知事選への出馬騒動を蒸し返されたら、さらに大きなダメージを負うでしょうね。あの時も家族や周囲の反対を押し切って出馬しようとして、結果的に出馬は断念しましたが、政治的な色がつき多くの仕事を失ったと聞いていますし…。今回も東尾理子さんが止めたのに、沖縄に行ってしまった。結局、『この人は家族の言うことに耳を貸さないんだ』というレッテルを貼られたら、それこそ世間から総スカンですよ」
何とも浮き沈みの激しい芸能生活を送る石田だが、果たして再復活はできるのだろうか? なお、番組表を確認したところ、「石田純一のサンデーゴルフ」は5月17日に“平常運転”でオンエアされる見込みだ(5月14日11時現在)。
(竹下光)