追悼 大林宣彦監督「遺作」にあの“絶縁俳優”がクレジットされていた

 4月10日に肺がんで亡くなった大林宣彦監督。2016年8月にステージ4の肺がんで余命3カ月と告知されるも映画製作にまい進していた。亡くなったこの日は、奇しくも新作映画「海辺の映画館―キネマの玉手箱」(アスミック・エース)の公開予定日だった。しかしコロナ禍により公開は延期となっている。

 新作であり遺作となったこの作品は、尾道の映画館で日本の戦争映画特集を観ていた若者3人がスクリーンの世界へとタイムリープ。映画の中のヒロインたちが戦争の犠牲となる姿を目にし、原爆投下前夜の広島で出会った移動劇団「桜隊」の運命を変えるために尽力する姿を描くファンタジーであると同時に、反戦作品でもある。

「大林監督が手掛けた1982年公開『転校生』、1983年公開『時をかける少女』、1985年『さびしんぼう』の3作品は、ファンの間で『尾道三部作』と呼ばれるようになり、広く世間から愛されるようになりました。コロナ禍により不要不急の外出自粛となっている今、大林監督の追悼番組として『尾道三部作』の放送を望む声がネット上では相次いでいるようです」(女性誌記者)

 この「尾道三部作」に出たことで、一躍有名俳優の仲間入りを果たしたのが尾美としのりだ。「かつては父と息子のような関係でした」としたうえで、芸能関係者が次のように語る。

「昨年放送の『爆報!THEフライデー』(TBS系)に出演した尾美さんは、大林監督と絶縁状態だったことを明かしています。その期間は23年間に及んだそうです。仲違いの原因は、尾美さんが『大林作品以外の映画にも出たい』と周囲に語ったことが、変な形で大林監督の耳に入ったのが原因だとか。しかし、今回、遺作となった『海辺の映画館―キネマの玉手箱』には『近藤勇』の役名で尾美さんの名前がクレジットされていたので、きっとうまく“復縁”できたのでしょう。尾美さんも最後の大林作品に出られて悔いを残さなくて済んだのは救いかもしれませんね」

 延期となった「遺作」の公開を待ちながら、大林監督のご冥福をお祈りしたい。

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