未曽有のコロナ危機、実は地球規模で意外な“好影響”をもたらしていた

 世界中が新型コロナウイルス騒動に見舞われる中、地球規模では、普段は気がつきもしない“意外な”影響があちこちで生じているようだ。

 まずは地球レベルで見た場合、地面の「振動」が少なくなっているという。

 日本でも4月7日に緊急非常事態宣言が出されて人の行き来は少なくなるはずだが、先に外出禁止命令が出されている「ロックダウン」の本場欧州ではそもそもが外出が禁じられているのでより人間の移動は少なくなっている。報道では、その影響によって「振動」が減っているとベルギー王立天文台の地震学者が指摘している。ベルギーの首都ブリュッセルでの「環境振動」ノイズは約30〜50%減り、普段は生活振動に紛れて観測不可能な振動が観測できるようになったのだとか。感染拡大が一番深刻なアメリカでも、ロサンゼルスの研究者が、同じく「ノイズ」の減少を報告している。

 やはり地球レベルで見た場合、CO2の排出量も減っている。専門家によれば、中国だけでも国内の排出量の25%に当たる2億トンもの量が減っているのだとか。フランスやスペインでの外出禁止が45日間続いた場合、1年間の排出量の5%が減るとの推計も出されている。ちなみにリーマンショックの時は3%減ったとされているので、この短期間でどれだけ人間の活動が収縮しているかがわかる。これもひとつの“好影響”と言えるだろう。

 人間の活動が減れば犯罪もなくなるようだ。

「この3月の1カ月間で警視庁が受理した110番通報の件数は前年比で約20%も減少したということです。一方、新型コロナウイルス関連の通報が約200件ほどあったそうですが、『自粛されているはずの花見が行われている』といった苦情のようなもので深刻度が低いものばかりだったようです」(警視庁詰め記者)

 ただ、減っては困るものも減ってしまっているようだ。

「献血数が減ってしまっているようです。2月18日に国がイベントの自粛要請をした辺りから、それまでのペースを100%とすれば約5%減少し、その後、国から様々な方針が出されるのと併せて漸減し、2月後半にもなると減少率は10%を超えて下げ止まらない傾向が続いているようです」(経済ジャーナリスト)

 一般消費者の視点で、下がるのはうれしいが社会問題として深刻なのが石油だ。

「3月30日時点でのガソリン価格は10週連続値下がりの136.3円で、前の週と比べても3.3円も安いものでした。このままでは『100円時代』が到来してもおかしくありません。2月頃から中国の工場がストップしたことで世界的に原油が余る状況を受け、産油国で話し合いがもたれましたが、意見は一致せず、ロシアやサウジアラビアなどは他の産油国を追い落とそうと増産すらしています。加えて原油安に備えた産油国が株式市場から資金を引き揚げる、つまりオイルマネーのマーケットからの撤退が不安視され株式市場に不安が広がっています」(前出・経済ジャーナリスト)

 何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」とでも言うべきか、特に「風が吹けば桶屋が儲かる」ような株式市場の世界では、行き過ぎは社会不安を招いてしまうようだ。

(猫間滋)

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