石川遼の2020年シーズンが始まった。まだ始動していない男子プロもいるが、石川はSMBCシンガポールオープンに臨んだ。大会前に東京五輪への意欲を話していた石川だが、通算3アンダー、24位と振るわなかった。
「本人は落胆はしていませんよ。かといって、巻き返しにつながりそうなプラス材料も見られませんでしたが」(専門誌記者)
「昨年の疲れがまだ残っている」というのが、周囲の一致した見方だ。オフは1カ月程度だが、石川は完全休養できなかったようである。
「『ソニー・オープン・イン・ハワイ』に参加した小平智プロが、興味深いことを教えてくれました。オフの期間中、石川を訪ねたそうです。彼は石川と打ち込みをするのを毎年の恒例行事としており、今年も行ったそうです。石川はかなり振り込んでいたみたいですよ」(前出・同)
オフの間も、石川は自主トレを重ねていたようだ。昨シーズン後半、石川は長いスランプを抜け出したが、同時に記者団に囲まれると、必ず同じ質問を受けるようになった。東京五輪への出場意欲だ。
今さらだが、東京五輪の男子代表に選ばれるのは、今年の6月時点でオリンピックゴルフランキングの各国上位2名。昨季は国内ツアーで2勝を挙げ順位を大きく上げたが、国内では3番手。2番手の今平周吾に80ポイント近く離されており、猛チャージを掛けたとしても逆転はかなり厳しい。しかし、
「石川も今平との差を縮めることがどれだけ難しいか、分かっています。ただ、諦めてはいけないとの思いに縛られているようにも見受けられます。自身が諦めるような発言をしたら、ツアーの協賛企業や観客動員にも影響すると自覚しているのでしょう」(スポーツ紙記者)
選手会長の任期はいったん終わったが、石川の名前によって、継続を決めた企業もないわけではない。彼のマジメさが自身を必要以上に追い詰めているのだろう。
ちなみに、小平はオフの期間中、渋野日向子とも会ったそうだ。「いっしょに草野球をやった」という。渋野もメディア出演で多忙なオフとなったはず。しかし、メリハリという点では、彼女のほうが石川を勝っていたようである。
(スポーツライター・飯山満)