とはいえ、石川の置かれている境遇には、同情の声もチラホラ。
「石川はゴルフだけに専念できる環境ではない。男子ゴルフ人気が低迷する中で、スポンサー企業に顔の利く石川には協会の要職があてがわれていました」(ツアー関係者)
18年から日本ゴルフツアー機構の副会長、選手会の会長に就任。齢三十に満たない若者に、さながら「管理職」としての重圧がのしかかった。
「20年から選手会での役職は副会長に変わりましたが、八方美人の石川は求められたら断れない性格。『職人』のように愚直にゴルフに取り組む松山との差が開くのは当然です」(ツアー関係者)
人当たりの良い石川に対して、口ベタな松山はマスコミ対応に四苦八苦。時には、ムゲに扱ってしまうことも珍しくないようで、
「『少し待ってて』と言われて、3~4時間待たされることはザラです。報道ステーションの取材でアポイントの時間に訪れた松岡修造を数時間待たせたあげく、『今日は気分が乗らない』という理由で、翌日にリスケさせたこともあるほど。メディア関係者の多くは松山のことを嫌っていますよ」(スポーツ紙デスク)
水面下の対立もあって、競技とは無関係の質問はタブーとされている。特にプライベート面では、
「休日にどこで何をしていたのか、聞くことすら許されません。『マスターズ』に優勝した時でさえも、仙台に住む嫁さんや子供について触れることはできませんでした。ひとたびヘソを曲げられてしまうと、会見や囲み取材が終わってしまうので、誰も質問できなかったのでしょう。松山と仲の良い記者以外は、黙ってメモを取ることしかできないんです」(ゴルフ誌ライター)
ゴルフの実力以上に大きく水が空きそうなのが両者の「副収入」だ。
「世界的に名の売れた松山を広告塔にしたい企業が大挙するでしょう。ゴルファーといえば、ゴルフメーカーとの用具契約の他に、帽子やシャツにスポンサーのロゴを掲示するのが一般的ですが、トヨタ自動車といった大企業がすでに契約していることもあって空きスペースがない。CM出演などのイメージキャラクター契約が主なスポンサー収入になりそうです。テニスの大坂なおみ選手のように、これから日本でも松山を起用したCMが大量に流れそう」(ツアー関係者)
アメリカの経済誌「フォーブス」が昨年5月に発表した記事によると、大坂なおみの年間総収入額は約40億4000万円。そこから賞金を除外した約33億5000万円がスポンサー収入とされているが、松山にはそれを超える稼ぎ口があるというのだ。
「ツアーの招待選手としてのギャラです。19年にサウジアラビアで開催された『サウジ・インターナショナル』では、タイガー・ウッズに3億円以上のギャラが提示されたと報じられました。今の松山にも同等のオファーが殺到するはず。世界のゴルフ人口を考えれば、大坂選手を上回る50億円の副収入が見込めそうです。一方の石川は所属のカシオやアサヒビールなどを含め、多く見積もっても5億円程度では‥‥」(ツアー関係者)
思わぬところで差が大きく開いたかつての好敵手。これから30代を迎え、後半9ホールでの再逆転劇はあるか。
「週刊アサヒ芸能」4月29日号より