テスラ社、新車発表会で起きた株価急落まで呼んだ“大失態”

 米電気自動車大手の「テスラ」が11月21日に開いた発表会で、パワーと耐久性が圧倒的に優れているというピックアップトラック型電気自動車「サイバートラック」を公開。しかし“絶対に割れない”との触れ込みだった窓ガラスに鉄球をぶつけるパフォーマンスをしたところ見事なまでにヒビ割れたことで、翌日のテスラ社の株が一時7%下落する大ヤケドを負った。
 
「発表会にはイーロン・マスクCEOが登場し、車体の耐久性をアピール。ボディの外側には『スペースX』のロケットと同じ合金鋼を使用していると説明し、男性スタッフがハンマーで側面を叩くパフォーマンスを見せましたが、車体には少しの損傷も見られなかったのですが…」(モータージャーナリスト)

 これに気を良くしたマスクCEOは、続けて防弾仕様だという窓ガラスに「ヒビひとつ入りません」と鉄球を投げるように指示。だが、これがアダとなってしまった。慌てたCEOは「ちょっと強く投げすぎたかな」と取り繕い再度やり直すように指示すると、今度は後部座席の窓ガラスもまったく同じようにヒビ割れ、「貫通はしなかったね」とごまかしたのだが、会場はザワつくばかりだったという。
 
「専門家からは『そもそも防弾ガラスは衝撃を受け止めて貫通を防ぐもので、割れること自体は問題ではない』との指摘もありますが、マスクCEOはハッキリとヒビが入らないことを宣言しており、『事前に色々な物で試した時は問題なかった』と弁明していることからも、割れる想定になかったことは間違いありません。ひょっとするとCEOが製造側の説明を勘違いしていた可能性もありますが、いずれにせよ、世界に向けて相当な恥を晒してしまった。重ねて、残念ながら株主たちからの信頼も失う結果となってしまいましたね」(経済ジャーナリスト)

 テスラ社にとっては、シャレにならない新車発表会になってしまった。
                             
 (小林洋三)

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