この資格でナンボ稼げる?(44)「お好み焼き検定」表5分焼いたら裏は何分?

 粉モノ料理の代表格にして、B級グルメの定番として知られる「お好み焼き」。鉄板でジュウジュウと立ち上るジューシーな香りは食欲をそそりますよね。私も「もんじゃ焼き派」か「お好み焼き派」かと聞かれれば後者です。

 そこで今回、ご紹介するのは「お好み焼き検定」。お好み焼きに関する文化や歴史、おいしい作り方などが学べます。日清製粉やブルドックソースなど関連企業の協力のもと、「にっぽんお好み焼き協会」が主催している検定です。

 私の名刺の裏側には、これまで合格してきた650以上の検定がズラリと印刷されているのですが、その一覧を見た方に「こんな検定があるんですね?」とよく驚かれるのが、このお好み焼き検定なんです。

 それでは例題を見てみましょう。

〈問1〉お好み焼きのルーツは、安土桃山時代に千利休が茶会で出した茶菓子といわれていますが、その茶菓子とは①金鍔、②茶通、③麩の焼き、④助惣焼きのうちどれ?

〈問2〉「にっぽんお好み焼き協会」が推奨する美味しいお好み焼きの焼き時間は「裏2分、表5分、裏●分」とされていますが、「●」に入る数字は①2、②3、③4、④5のうちどれ?

 実際の問題は、選択式や穴埋め式、記述式などで出題されます。試験開催地は東京と大阪。例題の答えは〈問1〉が③、〈問2〉が②となっています。

 私が初級に合格したのは10年以上前ですが、難易度はかなり低めの印象です。受験申し込みをすると、10頁ほどの「要点集」(PDF)がダウンロードできるのですが、だいたい1時間ぐらいで暗記できる内容でした。

 そして試験当日、会場ではお土産としてお好みソースやお好み焼き粉などをどっさりいただきました。これらの特典で検定料のもとが取れたんじゃないでしょうか(笑)。

 前述したように、この検定ではおいしい作り方も学べるため、自分で焼くタイプのお好み焼き店に友人や家族と行った際には、いろいろとウンチクを語りながら、「有資格者」の腕前を披露することができます。

 飲食店の開業を目指す人にもうってつけ。寿司職人の世界では、一人前になるまでの目安として、「飯炊き3年、握り8年」などと言われますが、その点では、お好み焼き店のハードルはそこまで高くありません。

 また、お好みソースを製造するオタフクソース社は、定期的に「お好み焼き教室」を開催しており、受講料は1000円程度。つまり最低限の初期投資で必要なスキルが学べるビジネスというわけです。

 今やお好み焼きの人気は海外にも及んでおり、お好み焼き店「ちんちくりん」を手がけるケーツーエス社は、今後7年間で全米50店舗の出店を目指しているようです。

 古くは「一銭洋食」として広まった日本のソウルフードで、一攫千金を目指してみませんか。

鈴木秀明(すずきひであき)/81年生まれ。東京大学理学部、東京大学公共政策大学院を経て資格アドバイザーに。取得資格数は600

マネー