「なぜ踏切で一時停止?」在住フランス人が日本の交通ルールに疑問符

 11月14日、JAF(日本自動車連盟)が日本在住のフランス人におこなった「交通マナーに関するアンケート調査」の結果を公表。そこで、フランス人は日本の交通ルールの中でも「踏切の手前での一時停止に戸惑う」との回答が複数あったことが明らかとなり、話題となっている。
 
「9月2日〜22日の3週間、フランス領事館協力のもと調査を実施し、54件の有効回答が得られたといい、そのうち7人が踏切での一時停止に戸惑ったと回答したという。中には、『踏切で電車が来ているかどうか確かめるには減速するだけで事足りるのに』といった意見もあったとのことです」(社会部記者)

 この結果に対してネット上では、《確かに、ルールだから止まっているってだけの人も多いと思う》《自分も前から徐行するだけでいいと思っていた》《普通に考えれば徐行するだけで大丈夫な場合が多い》と、意外にもフランス人の意見に賛同する声も多く見られた。
 
 確かに、踏切は警報機が鳴っていないときに一時停止して左右を確認するのは非合理と思えなくもないが、それでも踏切では必ず止まるべきだと専門家は言う。
 
「海外では踏切を渡る前に一時停止する法律がない国も多く、かねてよりこの日本のルールを『理解できない』とする意見も多かったのですが、実はフランスを含むヨーロッパで踏切事故が多発しており、社会問題になっている現実もあるのです。ヨーロッパでは、普段から一時停止をする習慣がないため、警報機がなってもギリギリで渡ろうとする者もしばしば見られ、多くの命が失われる重大事故に繋がってしまうケースも少なくありません。また、日本の線路は住宅街にあって交通量も多く、踏切の先で停車した車があった場合、一時停止しなければ後続車が踏切内に閉じ込められてしまう可能性も十分に考えられます。そのため、外国人にどう言われようとも一時停止は必要で、それを続けているおかげで日本の鉄道は世界一安全とも称賛されているのです」(交通ジャーナリスト)

 わざわざルールを見直す必要はないだろう。

(小林洋三)

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