11月9日、野村ホールディングス(HD)は、イタリアのミラノ刑事裁判所から、同国の「モンテ・デイ・パスキ・ディ・シエナ銀行」の損失隠しに関与したとして、英国子会社の「ノムラ・インターナショナル」の元従業員13人に有罪判決が言い渡されたと発表した。
「ミラノ刑事裁判所は今回の判決で、約4億円の罰金と約106億円の利益を没収すると明らかにしていますが、野村HDはニュースリリースで『判決の内容を十分に精査のうえ、控訴を含めた対応を検討していきます』とした上で、『本判決による当社の2020年3月期連結業績への影響は軽微と考えています』と説明しています」(全国紙記者)
野村HDでは今年に入って投資詐欺で元社員2人、法律違反の薬物所持で2人、性的暴行で2人の計6人が逮捕されており、他にも今年5月には情報漏えい問題で金融庁から業務改善命令が出されるなど、不祥事が続いている。
「野村が『20年3月期連結業績への影響は軽微』と説明したように、判決の確定には時間がかかるために約110億円の罰金と利益没収が20年3月期には影響を与えないかもしれませんが、後々業績に大きな影響を与えるのは間違いありません。また、かつては証券界のガリバーと呼ばれた野村ですが、19年3月期の連結決算は純損益が1004億円とリーマンショック以来10年ぶりの赤字となっていて、さらに悪いニュースが連続していますから顧客離れが懸念され、さらに赤字が拡大する可能性もあると予想されているのです」(経済ジャーナリスト)
信頼回復が急務だ。
(小林洋三)