マザーズ上場で大注目の「マクアケ」、大株主に複数の有名人の名!

 金銭以外のモノやサービスのリターンが受けられる非投資型の購入型クラウドファンディング事業を行う「マクアケ」が、11月8日に東証マザーズへの上場を承認された。

「同社は2013年にサイバーエージェントグループとして設立されました。クラウドファンディングの市場は14年度が約221億円だったものが18年度には約2044億円に達していて、ここ数年急激に拡大しています。新規事業としての体制立て直しで一時は業績が落ち込みましたが、17年にはそれを経ての黒字化を達成しており、その意味で好感が持てます。全体の約9割が貸付型のソーシャルレンディングですが、地方自治体での活用なども広まっていて、高利回りで過熱している貸付型に対して堅調に推移しています。」(経済ジャーナリスト)

 マクアケでは、地方自治体向けのふるさと納税型クラウドファンディングの「Makuakeガバメント」の運営も手掛けている。

 クラウドファンディング事業者としては初の上場で、なおかつ成長性が見込めるとあって注目のIPOなのだが、それと同時に注目されているのが大株主の存在。

 1人は「ケイスケ・ホンダ」ことサッカーの本田圭佑だ。マクアケの大株主欄には、本田が立ち上げたファンドの「KSK ANGEL FUND LLC」が約150万株、13.71%の保有で登場する。なんと親会社のサイバーエージェント(71.36%)に次ぐ第2位の大株主なのだ。そして意外なもう1人が市川海老蔵だ。本名の堀越寶世(たかとし)の名前で20万株、第6位の大株主に名前を連ねている(1.83%)。

「持分から計算すると、本田は23.2億円もの資産価値を保有していることになります。本田はこれまでにも50社を超える企業に投資していて、昨年には俳優のウィル・スミスとベンチャー・ファンドの『ドリーマーズ・ファンド』を設立、eスポーツのフランチャイズ企業に出資するなど、本人には失礼ながら今やサッカー選手としてより投資家としての注目度の方が高いくらいです」(同前)

 本田が投資活動を始めたのはACミラン在籍時の2016年8月。次世代に明るい未来をつなげたいと、エンジェル投資家としてサッカースクールの立ち上げやプログラミング教室への出資からスタートした。そしてサイバーエージェントの藤田晋社長と初めて会った時に、マクアケへの出資を願い出たという。

 一方の海老蔵とマクアケとの縁はもっと古く、2013年にマクアケが行っていた植樹事業に関心を抱いていたところ、17年8月に本田が出資したというニュースを聞いて本格的に出資を検討したのだとか。
 
 本田は他にも、荷物預かり、ブロックチェーン、ドローン事業を手掛ける企業に出資しており、いずれも将来的な成長が期待される分野ばかりだ。

(猫間滋)

ビジネス