これも横綱・豊昇龍誕生の効果かー。日本相撲協会が1月30日、東京・両国国技館で理事会と年寄総会を開いた。
「毎年この時期の理事会には注目が集まります。年に1度の親方衆の担当替えがあるんです。要するに会社でいう人事異動です」(相撲担当記者)
注目されたのは音羽山親方(元横綱鶴竜)だ。同親方は2月1日付けで審判部に配属された。
「審判部の親方は場所中、土俵下での勝負審判が主な仕事。横綱昇進が議題になる際も、審判部の親方衆が理事会に諮るかどうかを議論する。重要ポストです」(同)
審判部は協会執行部“入閣”へのはじめの一歩とも言われ、理事長候補とされる親方衆は必ず配属されてきた。過去の協会理事長は大関か横綱の経験者であるのも角界の伝統のひとつだ。
音羽山親方は23年に独立。音羽山部屋には元大関の霧島が在籍している。初場所は豊昇龍が逆転優勝で横綱昇進、そして音羽山親方の審判部入りと、モンゴル勢の台頭がいっそう目立った。
この人事異動に頭を痛めているのが本場所のテレビ放映権を持つNHKだという。なぜか?
「音羽山親方のテレビ解説が『わかりやすい』と視聴者にとても好評なのです。審判部に配属されれば、解説者席には座らなくなるので…」(NHK関係者)
また協会はこの日、十両格行司の木村勘九郎(山響部屋)が後輩行司に暴力をふるったことを発表した。勘九郎は47歳のベテラン行司。協会は「昨年11月場所中に後輩行司の左上腕部をつねり、皮下出血のあざを負わせた」と詳細に発表。角界にはいまだ陰湿な暴行が残っているようだ。
(小田龍司)