日本人ドライバー角田裕毅が強豪チームのレッドブルに加入し、再び人気を集めているF1。言わずと知れたモータースポーツの最高峰カテゴリーで、運転には国際自動車連盟(FIA)が発給するスーパーライセンスが必要だ。
ただし、これはレースに参戦する場合。実は、海外ではアクティビティとしてF1の運転体験ができるプログラムが複数存在し、普通自動車の免許さえあれば参加できる。
例えば、F1イタリアGPが開催されるモンツァ・サーキットでは、1997年のF1で使用されたアロウズ・A18の走行体験を実施。こちらは日本の業者から申し込みが可能で、料金は85万円からとなっている。
また、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイにあるドバイオートドロームでは、2000年のジャガー・R1、02年のアロウズA23のいずれかのマシンの走行体験を実施。価格は9995ディルハム(約39万4000円)でサーキットの公式ホームページから予約可能だ。
料金的にもっともリーズナブルなのは、英国の試乗体験サービス「トラック・デイ」。21年からF1の運転プラグロムも用意しており、使用マシンはジョーダン EJ12。佐藤琢磨が所属していた02年シーズンのジョーダン・ホンダで使われたマシンだ。現在50%オフのキャンペーン中で、850ポンド(約16万4000円)とかなりお得だ。
ちなみにどのプログラムも座学、サーキットの下見を兼ねた別のマシンでのテストドライブなどが含まれ、F1マシンでは10周の走行というのが基本プラン。インストラクターはプロのドライバーが務めているが、F1の加速性能はジェット機すら上回る。市販車とは形も構造も大きく異なるが、ちゃんと運転できるのだろうか?
「F1に限らず、下のカテゴリーを含めたフォーミュラーカー全般に言えますが、素人だと発進させるのも一苦労です。動かすことができてもシビアなステアリング操作やアクセルワークが要求され、コーナーでは強烈なGがかかる。ヘルメット内は視野も狭いため、気軽にドライブを楽しめるような代物ではありません(苦笑)」(モータースポーツ関係者)
それでもF1を運転できるのは一生に一度の思い出になるはず。決して安くないが、体験してみる価値はありそうだ。
※写真はジョーダンEJ12