「ホンダ」F1ブラジルGPでワンツーフィニッシュの裏にあった“奇跡”

 これを奇跡と言わずに何というのか。ホンダが26年ぶりの快挙を成し遂げた日が、特別な日であったことが判明し、ファンや関係者の間で驚きの声が広がっている。

 11月17日に行われたF1のブラジルグランプリで、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン選手が優勝。トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリー選手が2位に入り、ホンダがパワーユニットを提供する2台がワンツーフィニッシュを飾った。ホンダが1位と2位を獲得したのは、91年の鈴鹿グランプリ以来26年ぶり。

「ホンダは15年にF1に復帰。名門のマクラーレンと組んでレースに挑みました。ところが、ホンダのパワーユニットはメルセデスやフェラーリに性能面でも信頼性でも遠く及ばず、マクラーレンのシャシーもよくなかったことでチームは下位に低迷。17年いっぱいでマクラーレンから三下り半を突きつけられ、あわやF1から撤退という状況でした。幸いにも18年にレッドブルのサブチームであるトロロッソと組み、今年からはトップチームのひとつレッドブルともいっしょに戦っています」(スポーツ紙記者)

 今年に入ってからホンダパワーユニットの性能は大幅に改善。6月30日のオーストリアGPでマックス・フェルスタッペン選手が優勝し、ホンダは復帰後初優勝。7月28日のドイツGPでもフェルスタッペン選手が優勝。さらに8月4日のハンガリーGPではフェルスタッペン選手がポールポジションを獲得。純粋な速さを競う予選でトップを獲得したことで、性能の高さを証明した。そしてブラジルGPでのワンツーを成し遂げたのだ。

「ブラジルGPでは一時、1位から3位までをホンダのパワーユニットを搭載したマシンが独占していました。表彰台独占の可能性もあったわけです。残念ながら他車と接触してそれは叶いませんでしたか、ワンツーでも十分奇跡と言えるでしょう。そして奇跡がもうひとつあったんです」(前出・スポーツ紙記者)

 ホンダがワンツーフィニッシュを達成した11月17日は、ホンダの創業者である本田宗一郎氏の誕生日。そして、場所はホンダのマシンを駆ってチャンピオンを獲得し、今も高い人気を誇るアイルトン・セナの母国ブラジル。2人が天国から見守っていてくれたからこそ、ホンダはワンツーを達成できたのかもしれない。

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